フリーランスの場合、確定申告をするにあたり、帳簿付けが必要になります。自分で会計処理をしなくてはならないので、経費計上での領収書やレシートの扱いを正しく理解することも必要です。
しかし、
レシートや領収書の整理が面倒
という方も多いはず。
そこで本記事では、経費計上するのに必要なレシートや領収書についての保管する意味や期間、おすすめの保管方法について解説します。
レシートや領収書を保管する意味とは?
レシートや領収書を保管する意味や保管期間について解説していきます。
・レシート、領収書とは?
レシートは金額や購入した商品の内訳、購入日などが詳細に記載されている書類で、領収書は一般的に宛名(会社名、個人名)と金額が記載されている書類を指します。双方とも「適格簡易請求書」と呼ばれる書類になります。
経費精算時に「領収書」ではなくてはならないというイメージがあるかもしれないですが、実はそうではないケースもあり経費精算時に必要とされる定義「金銭または有価証券の受理を証明するために作られた受取書」となるので、支払ったことの証明ができれば問題はありません。帳簿付け時に必要となるこれらの書類は帳簿後もしばらくの期間保管しておく必要があります。
・レシート、領収書を保管する方法は?
レシート、領収書を保管する方法は法律で定められているわけではないですが、適切に保管する方法を紹介しますので自身にあったものを探してみてください。
紙で保管する場合
ノートに貼り付ける方法は昔からやってきた手法でオーソドックスな保管方法になります。日付順で貼っていれば後から見直した際に見つけやすいメリットはありますが、時間がかかる方法でもありレシートや領収書の枚数が多い場合はノートに収まりきらないことも考えられます
月ごとの封筒を作って経費関連のレシートや領収書を入れておく保管方法です。封筒とペンだけで手軽に行え、月別、勘定科目別に分けることができるのがメリットになります。ただ、ファイリングする方法より確認しにくく、封筒からの出し入れの際に紛失する可能性もあるので、クリップなどでとめておくとよいでしょう。
ポケット式ファイルであれば月別にポケットへ入れておくだけで整理が可能です。日付順に探すことはできないですが、外側から見られるので何が入っているかの見当がつきます
電子データで保管する場合
2022年1月1日の電子帳簿保存法改正により、電子データで取引したものについては電子データ保存が義務化されることになりました。紙のレシート、領収書は紙の保存あるいは一定の要件を満たしたスキャナ保存の2通りでの保存方法が可能です。法改正より2年間は猶予期間として下記の要件を満たすことで紙での保存が認められています。
・所轄税務署長が当該電子取引の保存ができなかったことについて、やむを得ない事情があると認めた場合
・レシートや領収書の提示を求められた時、提出に応じる場合
【参考:国税庁『電子帳簿保存法が改正されました』】
レシート、領収書の保管期間は?
レシートや領収書は確定申告後も一定期間保管しておく義務があります。義務付けられている保管期間は青色確定申告の場合7年、白色確定申告の場合5年です。青色確定申告で前々年の所得が300万円以下のフリーランスは、例外として保管期間は5年になります。上記期間中にレシートや領収書を保管していなかった場合、税務調査で経費と認められずに修正申告を求められる可能性がありますので上記期間は必ず保管しておくようにしましょう。
レシート、領収書を保管する際の注意点
レシート、領収書を保管するうえでの注意点は以下の通りです。
感熱紙は3~5年程度で印字が薄れていき、水分や熱、光などにも弱いので印字が消えてしまわないよう涼しく風通しの良い冷暗所での保管が適しています。また、印字された面を内側に折りたたんで光や空気があまり当たらない状態で保管するのも有効的です。一般的に印字が消えてしまったレシートは経費が認められませんので、消えかけのレシートがあればコピーをしておくことをおすすめします。
紛失対策も厳重に行う必要があります。特に青色申告の場合は7年間の保管が義務づけられていますので誤って処分してしまわないよう、場所を決めて大切に保管してください。レシートを紛失してしまった場合はお店に再発行が可能かどうか確認をしてみましょう。基本的に「再発行」と印を押されたレシートを作成してくれます。再発行が出来ない場合には、証拠書類として物品購入時のクレジットカード明細や電子マネー決済の注文履歴などの書類が購入した証明となります。
レシート、領収書の整理と分類のコツ
煩雑になりがちなレシートと領収書をきれいに整理と分類するコツを紹介していきます。
もらったレシートは財布からすぐに取り出して不要、必要のボックスに分けておく習慣をつけると良いでしょう。不要レシートはすぐ捨てても良いですが、誤って処分することのないよう一定期間保管するのも良いです。
先に会計ソフトに入力してからレシートの整理をするのが効率的です。整理されていないレシートは未処理であることと、二重処理をなくせるので先に整理した場合、会計ソフトにどこまで処理したのか分からなくなる問題を回避できるでしょう。また会計ソフト入力は確定申告の直前になって慌てることなく、月1程度のペースで処理をするようにすればレシートが整理されている状態が保てます
インボイス制度導入後のレシートについて
2023年10月1日より導入されるインボイス制度では、すべてのフリーランスが事業で発生した消費税を納税する課税事業者になるかどうかの対応が求められます。インボイス制度導入後もレシートや領収書は「適格簡易請求書」と呼ばれる書類として使用ができます。
インボイス制度導入により課税事業者を選択したフリーランスは、受け取った消費税を確定申告で支払わなければなりません。これまで3万円未満の支払額の場合はレシートや領収書がなくても帳簿を保存していれば仕入税額控除を受けることができましたが、インボイス制度導入後はこの特例は廃止となります。またインボイス制度導入後は帳簿と適格請求書あるいは適格簡易請求書の保存が必要となります。
【参考:国税庁『No.6496 仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存』】
まとめ
レシートや領収書の保管する意味や保管期間、おすすめの保管方法について解説しました。業務に必要な物品購入などのレシートや領収書はなくさずにしっかり管理し、会計ソフトや会計ツールなどを使用していない場合は業務の効率化を考慮し利用することをおすすめします。またインボイス制度の導入や電子帳簿保存法の改正でいくつか変更点があるので本記事を参考のうえ、十分に理解しておきましょう。
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