【事例あり】フリーランスエンジニアによくある契約トラブルと対処法

自由な働き方と高収入を追求するフリーランスエンジニアの数が増えてきた一方で、契約面でのトラブルに発展するケースも増えています。フリーランスエンジニアは自己責任での対処が求められるため会社員エンジニアよりも立場が弱くなりやすく、契約に関することや支払いなどでのトラブルが多数発生しています。そこで、本記事ではこれからフリーランスエンジニアを志す方に向けて、よくある契約面でのトラブルと、その対処法について解説します。

どんなトラブルが起きやすいのか

トラブル回避のための対処法はあるのか

など、

フリーランスエンジニアとしてスムーズに活動できる方法を知りたい方はぜひ参考にしてください。

目次

なぜ契約知識が重要なのか

フリーランスエンジニアとして成功するためには、専門的な技術スキルはもちろん重要ですが、契約に関する知識も必要不可欠です。その理由は、フリーランスエンジニアがビジネスの全てを自分で管理しているため、クライアントとどのように約束事を決めていくかが、ビジネスの成功に大きく左右するからです。

クライアントと交わす契約書は、

・あなたが何をいつまでにするのか
・どのくらいの報酬をもらうのか
・作成したものの所有権は誰にあるのか

といったことを事前に決めておく重要なツールです。

あらかじめトラブル発生時にはどのように解決するか明記している場合もあり、そのような場合には問題が起きた際にもスムーズに解決策を導き出すことができます。

しかしながら、契約書は専門的な法的文書であるため、なかには難解な表現や理解しづらい条項が含まれることもあります。これらを適切に理解しながら、自分のリスクを最小化するために、契約知識をもっておくことが必要なのです。また、自分自身で契約書を作成したり、クライアントから提示された契約書をもとに交渉できる能力は、プロフェッショナルなフリーランスエンジニアとして高く評価されることもあります。そうした能力をもつことで、自分のスキルに応じた適切な報酬を設定していくこともできるようになります。

フリーランスエンジニアの契約トラブル事例

では、契約面でのトラブルとはどんなことが起きるのでしょうか。ここでは実際にフリーランスエンジニアが経験した契約トラブルの事例をいくつか紹介します。事例を通じて、起こり得るトラブルについて理解し、自分自身が同じ問題に直面したときの対策を考えていきましょう。

事例1: 仕事内容の相違

エンジニアが行うべき業務内容とクライアントが期待する業務内容との間に、違いが生じてしまうことがあります。これはフリーランスエンジニアが契約で頻繁に直面する問題のひとつで、この認識の差により重大なトラブルにつながってくケースもあります。

また契約時の業務内容の定義があいまいな場合に、クライアントの要求とエンジニアの認識にすれ違いや誤解が生じるケースもあります。そのような状態になると、エンジニアにとって想定外のタスク追加や業務範囲の拡大など、負担が増えることにもなりかねないでしょう。

事例2: 支払い遅延

フリーランスエンジニアが遂行した業務に対する報酬が、約束された期日までに手元に届かないというトラブルもあります。これは特に金銭面での安定を求めるフリーランスという立場からすると、深刻な問題ともいえます。支払い遅延の要因は主にクライアント側によるケースが多く、財政状況の悪化や決裁プロセスによる遅延、支払いを忘れてしまったなど、さまざまな理由で引き起こされる可能性があります。このような支払い遅延がエンジニアにもたらす影響は大きく、生活費への影響はもちろん、エンジニアのモチベーション低下にもつながります

事例3: 無理なタスク追加

もともとの契約内容や予定になかった業務を、クライアントから追加で要求されてしまうというトラブルもあります。これもフリーランスエンジニアが契約上で頻繁に直面するトラブルとしてあげられ、クライアントがプロジェクトの初期段階で必要になる全ての作業を明確に把握できていなかったり、プロジェクトが進行するにつれて新たなニーズが生まれたりすることで発生します。

そのような状況になった場合に、エンジニアの合意がないまま一方的に進められたり、報酬や納期の見直しが伴わないまま進行してしまうことが多々あり、大きなトラブルに発展するケースが増えています。

そんなトラブルに見舞われることで、エンジニアは追加の業務による時間や労力の負担を抱えてしまうことになるのです。そうした負担は、他のクライアントとの契約や個人的な生活に影響を及ぼすこともあり、他の業務が遅延するリスクやストレスによって、エンジニアの健康状態にも悪い影響を与えることがあります

事例4: 知的財産権の問題

フリーランスエンジニアが制作した作品やソフトウェア、アイデアなどの著作権や特許権などの所有権についてもトラブルが発生しやすいです。これは契約における重要な要素ともいえ、明確な取り決めがないとエンジニアとクライアント間で深刻な争いを引き起こす可能性があります。

一般的にはエンジニアが何かを制作した場合、法的にその成果物はエンジニアの知的財産となります。しかしクライアントは多くの場合、成果物の所有権まで引き渡されることを望んでいるため、契約書には明確にどのような条件で知的財産権が移転するのか、または利用が許可されるのかを明記しておく必要があります。

また知的財産権の問題は、エンジニアが制作したものをクライアントが他の場所や方法で使用する場合にも発生します。そのため、エンジニアが制作したソフトウェアがクライアントによって無断で再販売されたり、エンジニアの許可なく他のプロジェクトで使用されたりすることで問題となるケースもあります。

トラブル回避のための対処法

では、フリーランスエンジニアが上記したようなさまざまなトラブルに見舞われないよう、事前に回避していくためにはどうしたらよいのでしょうか。

対処法1: 契約書の見直しと疑問点の確認

まずは、自分とクライアントとの間での契約書をしっかりと理解し、その内容を見直すことがトラブル回避のポイントです。作業の範囲、期限、報酬、著作権の扱いなどが明記された契約書の内容を自分でしっかりと理解し、疑問点や不明確な部分についてはクライアントに確認しましょう。

疑問点や不明確な部分をクライアントと共有し、その解決に努めることで、後に生じる可能性のある契約違反やトラブルを予防につながるはず。なかなか確認しにくいかもしれませんが、疑問や不安を事前に解消することは、リスクを軽減し仕事の品質と効率を保つためにも重要なことです。

対処法2: まめな「報・連・相」

契約期間中、まめな進捗報告などエンジニアとクライアント間でコミュニケーションを徹底することも欠かせません。「報・連・相」がしっかりできるエンジニアと仕事をすることで、クライアントはプロジェクトの進捗を理解し、都度適切なフィードバックができるからです。また課題やトラブルが発生した際も、素早く柔軟に対応することができます。どんなに小さな問題でも見逃さずに、クライアントに報告すること。これを徹底することで、クライアントとの信頼関係を強固なものにし、将来的に起こりうるトラブルを防ぐことができるでしょう。

対処法3: 仲介会社や専門家への相談

契約書作成や法的問題の対応など、エンジニアのスキルだけでは解決できないケースが生じた場合は、早期に弁護士や税理士などの専門家に相談することをオススメします。例えば、契約書の内容に不確かな点がある場合や、自分自身で解決できない法的な問題が発生した際など。困難な状況を解決するにあたって、専門家へ相談することで、適切なアドバイスやサポートをうけることができます。そうした対応を心がけることで、自身のビジネスを法令遵守の下でより安全に運営することができます。

契約トラブルから身を守り、安定したフリーランス生活へ

フリーランスエンジニアとして成功を収めるには、卓越した技術力だけではなく、ビジネス全体を把握し、常にリスクを管理することが欠かせません。契約面におけるトラブル回避は特に重要で、自身のビジネスをスムーズに運営するためには必要不可欠となります。

またフリーランスエンジニアがおかれるビジネス環境は、変化していくのが当たり前ともいわれています。契約書においても見直しや更新を常に行い、変化に柔軟に対応することでフリーランス生活を長期的に安定させることができるでしょう。

フリーランスエンジニアとしての成功は、一時的に成果をあげることだけでなく、トラブルなく継続的に案件を引き受けられることでもたらされます。だからこそ、契約面でのリスクをしっかりと理解し、時には専門家の力をかりながらいつでも対応できる体制を整えておくことが安定したフリーランス生活へとつながることでしょう。

また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次