2023年11月現在、コロナ禍が明けて日本社会はコロナ前の状態に戻っています。コロナ禍では、倒産や廃業の危機を迎える会社も少なくなく、フリーランスも同様でした。
その状況を打開すべく、経済産業省の外局である中小企業庁が行っていたのが「持続化給付金」です。営業自粛などで大きな影響を受けている事業者の事業の継続を支えて、再起の糧にしてもらうことを目的としており、事業全般に広く使える給付金が支給されていました。現在は申請受付も終了しています。
しかし別の制度として、条件を満たしたフリーランスの方は「補助金」と「助成金」を受け取ることが可能です。そこで今回は、フリーランスが受けられる補助金、助成金の支援制度をご紹介します。フリーランスにとって事業を大きな支える柱となる補助金と助成金を有効活用していきましょう。
フリーランスとは?
フリーランスとは、会社や団体などの組織に属さずに、案件やプロジェクトごとにクライアントと契約をして業務を行う人のことを指します。どんな案件に参画するかは、すべて自分次第。フリーランス案件紹介サイトなどで自由に選んで、クライアントと交渉・契約し、業務遂行を果たして成果物を納品します。
フリーランスが直面する課題
フリーランスが直面する大きな問題は、やはり収入面です。病気などで欠勤となれば、その分収入はなくなりますし、長期入院などで仕事に就くことができない状況が続くと、収入がゼロになる可能性もあります。
フリーランスは、会社員より多くの収入を得られる可能性が高いですが、実力があれば必ず稼げるという世界でもありません。報酬の単価をあげるための交渉や見込み顧客となる人脈を大切にする、新規開拓のための営業努力を行うなど、会社員以上に人間関係やコミュニケーションのスキルが必須です。フリーランスを始めたばかりの頃は苦戦することも多いでしょう。だからこそ、補助金や助成金を有効活用することが大きな安心になります。
給付金とは?補助金・助成金とは?
給付金と、補助金・助成金の違いをご存知でしょうか。わかりやすくまとめてみました。
給付金、補助金・助成金の共通メリット
返済義務がないことが挙げられます。事業資金に困った場合に、銀行からの借り入れやクレジットのキャッシングなどで難を逃れる場合もあると思いますが、こちらは借り入れた金額に利子をつけて返済しなければなりません。給付金や補助金・助成金は、事業を行った後に報告書などを求められる場合もありますが、その手間を考えても得をすることが多いです。
給付金とは
月次給付金などの「給付金」は、申請さえクリアできれば現金を受け取れるため、誰もが受給したいと思えるような仕組みになっています。給付金の使い道を限定しない制度も多く、幅広い用途に使えます。しかし、制度の数自体は少なく、申請期限も定められているほか、事業所得扱いになる給付金も多いです。
※フリーランスが申請できる給付金は、2023年11月現在ありません。今後、給付金制度が発表された時は、ぜひ申請して活用しましょう!
・現金支給
・使い道を限定しない制度が多い
・支援対象が幅広い
・制度数が少ない。2023年11月現在、制度はゼロ
・減収が給付条件となるものが多い
・事業所得として税金がかかるものが多い
補助金・助成金とは
補助金や助成金も、現金がもらえるという点では給付金と同じです。しかし、こちらは「申請対象となる用途が決められている」「投じた費用の〇割を補助する」という感じで、自由に使える現金ではないことが大きな違いです。支給条件として、必ずしも減収している必要がなく、事業推進の目的で活用できるのは利点。対象額も給付金より多い傾向にあります。
補助金は、申請後に審査が行われ、審査に通れば受け取ることができます。助成金は、受給要件を満たす事業主であれば、審査なしで受け取ることが可能です。
・現金支給
・減収していない場合も支給対象になりやすい
・対象額が多い
・現金の使用用途が限定されやすい
・投じた費用を後から補填する形が多い
フリーランスが受け取れる、補助金と助成金
現在、フリーランスでも申請できる補助金や助成金をご紹介します。お住まいの自治体によっては、下記以外にも制度が用意されているので調べてみることをオススメします。
IT関係ツールの導入を支援する補助金です。補助額は実施する施策の中身によって大きく変わりますが、30万円〜450万円の補助を受けられます。採択率は申請枠によりますが、採択されなかった場合も次回に再申請が可能です。
申請内容として、「事業計画の策定」「IT事業者とのツール導入を前提とした商談」などをする必要があり、一定の額のITツールを導入することが求められます。インボイスやマイナンバー制度、テレワークなどのDXに対応するための設備投資はおおむね補助の対象となります。
小規模事業者の事業継続を支援する補助金です。事業運営にかかった費用の補助額が最大250万円の補助が受けられます。
申請要件に「地域の商工会議所または商工会の助言等を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って地道な販路開拓等に取り組む費用の2/3を補助します」とあり、商工会議所/商工会と相談した上での事業計画の策定が必須になります。
雇用している非正規労働者(派遣社員など)の企業内でのキャリアアップにつながる待遇改善に対して助成される制度です。「正社員化支援」と「処遇改善支援」と大きく分けて2通りの選択肢があります。1人あたり最大57万円が支給されます。ただし、従業員(非正規雇用含む)を雇用していないフリーランスは対象外になるため、実質的な対象者は少ないと思われます。
給付金、補助金・助成金に申請する上で注意すること
給付金の活用を考えているのなら、まず申請期限をチェックしてください。申請期限までに書類提出が完了していないと、支給対象であっても給付を受けられない可能性があります。
申請期限を確認した上で、いつまでに書類の準備と申請対応をすべきか計画を立てるのがポイントです。
申請しても給付金・補助金・助成金を確実には受け取ることができないという点が挙げられます。どのようなものがあるのか調べるのにも時間がかかりますし、申請に向けて準備をしたり実際に書類を作成したりするのには更に時間がかかります。その結果としてお金を受け取れないとなると、そこに費やした時間が全て無駄になってしまいます。
そのため、まずはその給付金、補助金・助成金が自分に合っているものかを確認しましょう。また、給付金・助成金の申請を成果報酬で代行してくれるサポート会社もあります。自分で準備して時間を取られるよりは良い場合もあるので、検討してみても良いでしょう。
給付金、補助金・助成金を受給するには、積極的な情報収集が必要
新型コロナウイルスの影響で、給付金や補助金・助成金の存在を知った方も大勢いらっしゃると思います。2023年11月現在では、申請できる給付金制度はありませんが、今後新たに発表されることもあると思います。そのためにも定期的に情報収集を怠らないようにしてください。フリーランスにとって、急に資金面で苦しい状況になったときのことを考えて、申請できる給付金や補助金、助成金は申請できるうちにしておいたほうが無難です。長年活躍していくためにも、お金の制度は有効活用していきましょう。
また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。