フリーランスから会社員へ転職はできる？再就職でのポイントと面接対策

フリーランスはプロジェクトごとに収入が変わり、案件が途絶えると収入も途絶えてしまうリスクが常にあります。そのため、新しい案件を探す努力は絶えず欠かせません。一方で、会社員は定期的に一定の収入を得ることができるため、将来に対する不安は少ないといえます。この収入の安定性の違いはフリーランスから会社員に転職を考える際の大きな要因となります。

フリーランスは自分で社会保障や福利厚生に加入し、それに伴う費用を自分で負担する必要があります。これに対し会社員の場合は、会社で社会保障への加入や福利厚生が提供されます。そのため、将来にわたって安定した生活を送りたいと考えた場合、会社員の方がフォロー体制が手厚く、安心して生活を送れるようになります。

フリーランスは受注した案件において自分のスキルセットにマッチする部分だけを担当することが一般的です。そのため、1人での作業が多くなかには孤独を感じてしまうエンジニアも。しかし会社員として働く場合は、チームの一員としてお互いを励まし、競い合いながら一つのプロダクトを作り上げる経験を得ることができます。このようなチームでの経験を通じて自身のスキルを活かす喜びを再認識できる点について、魅力を感じるフリーランスは多いです

フリーランスの場合、通常はプロジェクトの一部分の作業を依頼されるのが一般的で、プロジェクト全体を動かすような案件を担当することは稀。このため、フリーランスの立場ではマネジメント経験を積むのが困難です。一方、企業に所属していれば、現場で働きながらプロジェクト全体に関わる経験を積むことが可能です。マネジメント経験を積むことを考えるなら、企業に所属して現場での経験を積むことが効率的であると言えるでしょう。

プロダクト開発は通常自社で行われるため、外部のフリーランスに依頼されることは稀です。そのため、フリーランスがプロダクト案件を得るには積極的な営業活動が必要ですが、それでも必ずしも案件に携われるとは限りません。プロダクト開発にスムーズに関わりたい場合、会社員として企業に入り、プロダクト開発チームに選ばれる方が効率的なアプローチと言えるでしょう。

面接で採用担当者は、フリーランスを選んだ理由を尋ねることがあります。そのため、フリーランスになった経緯と理由を明確にしておくことが大切です。もし、過去にチームや組織に馴染めなかった経験があっても、それをそのまま話すと協調性がないと思われる可能性があるので、「自分のやりたいことを実現したかった」というようにポジティブな理由を伝えることがおすすめです。

フリーランスから正社員への転職を考える際、なぜ正社員になりたいのか、フリーランスのままでは達成できない目標をはっきりさせましょう。ただ、「収入の不安定さ」や「継続的な案件の不足」などのネガティブな理由は、採用担当者に良い印象を与えません。むしろ、「自分のスキルを会社でどう生かせるか」や「自分のキャリアが会社にどう貢献できるか」というポジティブな視点でアプローチすることが重要です。

フリーランスから会社員に転職したいエンジニアを採用するにあたって、企業は採用後すぐに

やっぱりフリーランスがいい

と退職されてしまうことを心配しています。そのため面接では、たとえ質問されなくても積極的にフリーランスに戻る意図はないことを伝え、企業で長く働く意思があることをしっかり示すと、企業側の不安を取り除くことができます。

エンジニアには技術力だけでなく、協調性も求められます。特にフリーランスの場合は、個人で自由度の高い働き方をしてきたため、協調性があるのか疑念を持たれることがあります。面接では、企業文化に馴染むか、自己主張が強すぎないか、コミュニケーション力に問題はないか、企業のルールを守れるかといった点について、自己PRできると効果的です。

フリーランスから会社員になる際、収入の安定性や福利厚生の面でメリットがあるものの、収入が下がる可能性もあり、企業はその点についてどう考えているかを確認することがあります。面接では、収入の減少を自己投資の一環と捉え、長期的なキャリアアップと収入増加を目指す意思を示すと、良いアプローチになるでしょう。

企業はフリーランスから会社員になりたい求職者を採用するにあたって、即戦力となることを期待しています。しかし、多様なスキルを持っていても、それが志望先の企業で必要な技術でなければ、採用につながらない場合も。面接でアピールする際は、その企業で必要とされる技術やスキルに焦点を当て、自分がどうしてその企業で即戦力として活躍できるかを強調することが重要です。

キャリアアドバイザーが履歴書・職務経歴書の添削や面接対策をサポートし、希望に合った企業を見つけてくれるサービスです。これは、転職活動に不安を感じている人に特にオススメの手法です。また、スキルや経験に自信がある方にはスカウト型のエージェント、自分のペースで転職活動を進めたい方は転職サイトを活用するなど、自分に合った方法を活用すると良いでしょう。

X（旧：Twitter）やFacebook、InstagramなどのSNSを利用して企業の募集投稿に直接応募する方法もあります。SNSの活用は企業の投稿した内容から企業情報や社風などを知る手段としても役立ちます。また、自身のSNSアカウントにフリーランス時代の実績やスキルをまとめておくことで、企業に即戦力としての自分をアピールすることも可能です。

すでに信頼関係がある過去のクライアントから会社員にならないか直接打診がくることも。過去の取引経験から、クライアントの業務についてある程度知識がついているため、スムーズな転職を実現できるでしょう。クライアントだけではなく、フリーランス時代に交流会やセミナーなどで知り合った人など、これまで培った人脈から会社員へとオファーを受けることもあるでしょう。