生成AIとは?これからITエンジニアにもたらされる影響や新たな可能性とは

画像生成AI『Midjourney』『Stable Diffusion』や、テキストを生成するAI『ChatGPT』『BingAI』など、全世界で“生成AI”というワードがトレンドになっています。IT業界でも既に実用化が始まっており、エンジニアの仕事のあり方が変わろうとしていますね。本記事では、生成AIの基本的な仕組みや、生成AIがITエンジニアにもたらす影響、生成AI技術を活用した事例、さらにはAIエンジニアリングを学ぶ方法などを徹底解説いたします。

目次

生成AIとは?

生成AI(ジェネレーティブAI)とは、

文章や音声、アート、デザイン、ソースコードなどさまざまなオリジナルコンテンツを創造できるAIのこと。これまでのAIは「蓄積された膨大なデータの中から最適な回答を探して出力する」という能力しかありませんでした。しかし2022年頃から爆発的に普及しはじめた生成AIは、たとえばいくつかの連想ワードを提示するだけで最適な画像を生成するなど、0から1を生み出すことができるようになったのです。。

とはいえ、生成AIが何かを創造するには人間からの指示やプログラムが必要。また生成AIが創造するコンテンツは、あくまでこれまで人間が作り出してきたものが元となっていますので「まったくの0からコンテンツを生み出している」というわけではありません。何らかのインスピレーションを受けているという点では、人間とあまり変わらないかもしれません。

生成AIがITエンジニアに与える影響

生成AIの誕生により、エンジニアの働き方や開発の仕方も大きく変化しようとしています。たとえばこれまで人間が繰り返し行ってきた作業を生成AIに任せることで、作業時間の大幅な短縮に繋がったり。AIに問題点を相談することで新しい知見や解決方法が得られたり…など。生成AIを活用することで、エンジニア業務の生産性はかなり向上します。

では、実際にITエンジニアが生成AIをどのように活用しているのでしょうか。ここからは生成AIの活用事例をご紹介します。

●コード作成

これまで膨大な時間を要していたコーディング業務は、完成物の概要や条件を伝えることで生成AIがコードを作成してくれます。コードの提案だけでなく、テスト作業などの繰り返し行うタスクの一部を自動化したり、作成したコードのエラー箇所を指摘・修正してもらったりすることも可能です。

●ゲーム制作

ゲーム制作には膨大な労力がかかりますが、生成AIを活用するとキャラクターデザイン、ストーリー展開、ソフトウェアコンポーネントなどが自動生成され、大幅な業務効率化を図ることができます。最近では、ゲームのストーリー展開からビジュアルアート、さらには音楽に至るまで、あらゆる構成要素が全てAIによって生成されたという事例も。ゲーム業界での実用化はすでにかなり進んでいます。

●アクセシビリティ

音声からのテキスト文字起こしや音声合成といった音声の生成AIも、IT業界の新たな道を切り開きました。特にアクセシビリティ(障がい者や高齢者を含め、あらゆる人々がアクセスしやすい状態のこと)に大きな影響をもたらしています。たとえば、これまでキーボードを使うことが難しかった障がい者の方々が音声生成AIを用いることで、自力で開発を行えるように。「障がいを持っていても健常者と同等の仕事ができる環境」が作られようとしています。

ITエンジニアの生成AI活用術

ここからは、ITエンジニアの方に向けて生成AIを活用したサービスを紹介していきます。

●ChatGPT

アメリカのOpenAI社が開発したチャット型のAIサービスです。自然言語処理(NLP)という技術が用いられており、質問や要望をテキストで入力すると、まるで人間が中にいるかのような的確な回答を返してくれます。生成AIを広く知らしめるきっかけとなったサービスの一つです。ChatGPTでできることは幅広いですが、ITエンジニアにとってはコードの記述、コードレビューや修正、議事録の要約などに活用できます。

●Stable Diffusion

英国のStability AI社が開発した画像生成AIモデルです。「空」「寝ている人」などテキストを入力すると、その内容に沿った画像を自動生成してくれます。Stable Diffusionはオープンソースで提供されているため、誰でも簡単に画像作成が可能。写真のように写実的なものから、絵画、インフォグラフィックなど、さまざまなビジュアルを出力できます。

●GitHub Copilot

GitHubが提供しているクラウド型の生成AIツールです。エンジニアがコーディングを行うと、AIが条件に合ったコードを瞬時にサジェストしてくれます。幅広い言語に対応しており、中でもPython、JavaScript、TypeScript、Ruby、Go、C#、C++などの言語が得意分野です。10ドル/月(年間契約の場合、100ドル/年)の有料サービスではありますが、活用するとコーディングの時間が大幅に短縮されるでしょう。

●Gen-1

アメリカの動画関連スタートアップ「Runway」がリリースした、動画生成AIサービスです。構図や動きの元となるサンプル動画をアップロード後、生成したいイメージや画像を入力すると、そのイメージが適用された動画が生成されます。さらに指定した画像で動画の対象物を置き換えたり、個性的なスタイルを指定したりすることもできます。

生成AIの技術を学ぶには

生成AIによりプログラムコードが自動生成され、生産性が大幅に向上した現代。その一方で、精度や正確性には依然として課題が残っているため、しばらくは人間による指揮管理が必要です。そうなると、これからのIT業界で必要とされるのは生成AIをはじめとしたAI技術について深く理解し、うまく活用できるエンジニア。市場価値を高めたいと考えている技術者の方々は、AI技術の仕組みについて学んでみることをおすすめします。

AI技術のコアとなる部分には、C言語やC++、Pythonがよく用いられています。たとえばAI開発では多次元配列の演算を高速化する「NumPy」というライブラリが用いられていますが、その処理にはC言語が使われています。またディープラーニングのフレームワークには「TensorFlow」「PyTorch」などが用いられており、その記述や処理はPythonやC++で行われています。

世間的には「AI=Pythonで開発されているもの」というイメージが強いかもしれませんが、実はコア部分にはC言語、C++も用いられているのです。AIについて深く学びたい方は、ぜひ覚えておいてください。

生成AIによって生み出された新しい職業とは

ChatGPTをはじめとした生成AIツールが普及したことで、新たに生まれた職業があります。それは、より精度や質の高い結果が出力されるよう、生成AIに指示を出す「プロンプトエンジニア」。プロンプトには「促す」という意味があり、IT業界ではシステムに入力する指示や質問のことを指します。

生成AIはとても便利なものですが、ただ単に質問するだけではこちらが望んだ回答を得られないことも多いです。結果的にそれがタイムロスに繋がってしまうこともあります。このような背景から、プロンプトエンジニアの需要が今急速に高まっています。

プロンプトエンジニアの年収は非常に高く、海外のある会社ではプロンプトエンジニアを最高 33万5000ドル(約5000万円)で募集していたこともありました。これほどのニーズが長く続くかは不明ですが、日本でもプロンプトエンジニアの求人は増えはじめています。いずれにせよ、生成AIの仕組みや最新情報をおさえておくと市場価値は高まりやすいと言えるでしょう。

生成AIとITエンジニアが共生すると、更なるイノベーションが生まれる

コード作成やレビューなどが生成AIで行えるようになり、IT業界全体の生産性が高まっている昨今。新しいAIツールが次々と生まれており、これまで専門スキルを持たなかった人でもIT業界に参入しやすくなっています。

しかし、生成AIを「自分たちの仕事を奪う脅威的なもの」と捉える必要はありません。生成AIはあくまでよりよいものを作るための手段ですので、AIツールをうまく使いこなす能力を身につけることが重要。ITエンジニアと生成AIがお互いを補い合うように共生していけたら、IT業界に大きなイノベーションが起こるでしょう。

まずは実際に生成AIに触れ、自分なりの活用方法を探してみてはいかがでしょうか。

また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。

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