SESは本当にやばい?知っておくべきブラック企業の特徴と見分け方

クライアントの要求に応じて、エンジニアを派遣するSES企業。人材不足が続くIT業界で今や欠かせない存在となっています。

しかしネットでは

SESはブラック

SESはやめておけ

といった記事を多く見かけます。

そんな情報をみて「SESって本当にやばいの?」と不安に思う方も多いでしょう。そこで本記事では、SES企業がなぜブラックといわれるのか、ブラック企業の特徴や見分け方について解説していきます。ブラックなSES企業を避けたいエンジニアは、ぜひ参考にしてください。

目次

SES企業がブラックといわれる主な理由

まずはなぜSESがブラックといわれるのか、主な理由についてみていきましょう。

理由1:違法な偽装請負が横行している

SESとはシステム開発・保守・運用における準委託契約の一種。特定の業務に対してエンジニアの労働力を提供する契約になります。労働者派遣ではないので常駐先のクライアントにはエンジニアへの指揮命令権はありません。しかし多くの企業やエンジニアがこのルールを知らないせいか、実際はクライアントが指示を出し、エンジニアもそれに従ってしまうケースが見受けられます。これは違法な偽装請負なのですが、うやむやになっていることが多いようです。

理由2:過酷な労働環境

あえて契約上労働条件を曖昧にすることで、エンジニアを残業や休日出勤できるようにしているSES企業も見受けられます。SES企業としては長時間エンジニアに働いてもらった方が売上がたつので、結果的にブラックな労働環境になってしまうこともあるようです。またクライアントに指揮命令権がないにも関わらず、クライアントの指示に従い残業や休日出勤してしまうエンジニアも。その結果、体調不良や精神的なストレス、モチベーションの低下、作業効率の低下、過労死など、さまざまなリスクを負いながら働いているエンジニアも見受けられます。

理由3:無言の圧力でサービス残業になる

SESはSIerの下請けとして短納期・低単価のプロジェクトを受注するケースがあります。炎上プロジェクトに巻き込まれることも珍しくなく、他のSIerやプロパーのエンジニアが長時間残業している中、「自分だけ早く帰るわけにはいかない」とつい残業してしまうエンジニアも多いようです。本来SESの場合、納品に責任を負うことはなく契約で定めた以上の労働を強いられることはありません。しかし実態は、正確な残業代を申告することができずに、サービス残業しているエンジニアも見受けられます。

一部のSES企業ではこのようなエンジニアの働き方を黙認や推奨をし、労働コストを抑えるといった悪徳企業もあるとか。このような慣行はエンジニアの権利を侵害し、労働基準法にも違反するもので、ブラック企業と呼ばれる大きな特徴のひとつです。

理由4:単純作業ばかりでスキルアップができない

長年SES企業に在籍し、単純労働の案件ばかりを担当させられていると、スキルアップの機会を逃してしまう可能性があります。スキルアップができなければ、転職時にスキル不足で転職が難しい状況になってしまうため、エンジニアとしてステップアップを実現したい方は大切な時間を無駄にしてしまうことになります。

SESブラック企業の特徴

上述したようなブラックなSES企業に入らないためには、事前に特徴について知り、エンジニア自ら避けていくことが大切です。では、ブラックなSES企業はどんな特徴があるのでしょうか。

特徴1:悪い口コミが多い

インターネット上の求人サイトや、SES企業の評判を集めたWebサイトで、元社員や現役社員による悪い口コミが多い場合は注意をしましょう。口コミサイトは基本的に不満を抱える人たちが書き込むケースが多いため、負の実態について知ったうえで働けるかどうか判断することが大切です。ただし、口コミや評判は個人の主観に基づいているため、一つの参考情報として活用し、他の判断材料と合わせて考慮することも重要です。

特徴2:4次請け・5次請けなど案件の商流が深い

IT業界はピラミッド型の下請け構造で、1次請けは大手SIer、2次請けは中堅SIerや派遣会社、3次請け以降はSESといケースが多く、4次、5次、6次請けと多重構造になっています。下請けになるほど「商流が深い」といわれ、商流が深くなるほど間に入る企業の数が増えるため、最終的にエンジニアの収入は低くなりやすいです。また商流が深いと担当する案件も単調で繰り返し作業なものが多いため、技術的なスキルアップも困難になります。

特徴3:会社の事業がSES事業のみ

SES事業だけを行っている企業は、基本的に派遣会社と変わらず、将来性は乏しいため、そのような企業は避けた方が賢明です。「客先常駐しか仕事がない」「常に人員が不足している」「給料が低い」といった問題を抱える可能性が高いため、このような企業には注意が必要です。

特徴4:還元率が低い・単価について公開されない

エンジニアの雇用においてさまざまな費用がかかるため、会社の取り分となるマージン料があることは一般的ですが、エンジニアの取り分となる還元率が明かされていなかったり、あまりにも低い企業は避けるべきです。また、エンジニアの単価について公開しない企業もブラック企業の可能性が高いです。

特徴5:1人で客先常駐させられる

SESの案件には、チームで客先に常駐するケースと、1人で常駐するケースがあります。1人で常駐することは決して悪いことではありませんが、エンジニア経験が浅いのにも関わらず先輩エンジニアの同行なしで1人で常駐させられる場合はブラック企業の可能性があります。従業員に対して、不適切な対応が行われていないかは注視する必要があります。

特徴6:スキルや希望に合わない案件にアサインされる

なかには、クライアントの要望や会社の利益を最優先し、エンジニアのスキル、経験、希望を考慮せずに案件にアサインされてしまうことも。営業力が弱く、案件が少ないSES企業では、未稼働のエンジニアを抱えていると大きな負債になるため、できるだけ稼働率を上げようと強引にエンジニアをアサインするとがあります。エンジニアの意向を無視するような企業は、不適切な働き方を強いられる可能性が高いので注意をしましょう。

特徴7:人事評価の基準が曖昧

SESエンジニアの評価方法は、通常客先からSES企業に共有された評価をもとに、エンジニアへのフィードバックを行うものです。しかし、ブラックなSES企業では客先常駐であることを理由に、評価制度が不透明であるケースが頻発しています。常駐先での成果がきちんと評価されないと自身のモチベーション低下につながるため、避けるべきでしょう。

ホワイトなSES企業を見つけるのコツ

ここまでブラックなSES企業の特徴についてあげてきましたが、誤解をしないでください。もちろん、世の中にはホワイトなSES企業もあります。では、上述したような特徴をもつブラックなSES企業を避け、ホワイトなSES企業で働くためには、さらにどんなことを確認すればよいのでしょうか。

会社の成り立ちを確認する

企業の背景、設立の経緯、設立者の経歴、企業のミッションやビジョン、歴史、成長の過程などを確認することも大切です。例えば、設立者の経歴がシステムエンジニアであれば、エンジニアの苦労を知り、「もっとエンジニアが働きやすい会社をつくりたい!」と企業を設立していることも。そうした企業はエンジニアにとって嬉しい制度や環境が整っている傾向があるため、ホワイトな環境で働くことができるでしょう。

自社開発をしているかを確認する

自社開発を行っているSES企業は、一般的に技術力が高く、エンジニアのスキルアップの機会が多いです。また、プロジェクトにおいても、技術面での裁量が大きく、エンジニアが技術的な判断をできる機会を多く得ることができます。そのため、自社でサービスや製品の開発を行っている企業はホワイト企業である可能性が高いです。

エンドユーザーと取引があるか確認する

企業がエンドユーザーや元請け企業と直接取引をしている場合、エンジニアは上流の案件に携わることができます。スキルアップや企業からの適正な評価を期待したいエンジニアは、企業がエンドユーザーや元請け企業との取引を持っているかどうかを確認することは重要なポイントになります。

ブラックなSES企業を避け、エンジニアとして理想のキャリアを築ける会社を見つけよう

すべてのSES企業がブラックというわけではありませんが、ブラック企業は確実に存在します。エンジニアとして高いモチベーションの維持やスキルアップ、年収アップを実現するためには、ブラックなSES企業を避け、理想のキャリアを築ける会社を見つけなくてはなりません。本記事で解説した特徴を参考に、より充実したエンジニアライフを送れる会社を見つけてください。

また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。

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