IT業界でのインフラエンジニアの仕事内容と給与相場や将来性について解説

インフラエンジニアとは、ITサービスを動かす際に欠かせないサーバやネットワークといった「IT基盤」を扱う仕事です。

アプリやWebサイトなど私たちが直接目にするシステムを手がけるわけではないため、

どんな仕事をするのか分からない

働き方があまりイメージできない

といった方も多いかもしれませんね。

そこで本記事では、インフラエンジニアの仕事内容や給与相場、将来性、必要なスキルなどを解説いたします。

目次

インフラエンジニアの仕事内容

インフラエンジニアの仕事内容を詳しく見ていきましょう。

要件定義

システム開発を行う際、まずはじめに行うのが要件定義。クライアントが作りたいITシステムの概要をもとに、どんなインフラ環境を用意するべきかを考える工程です。たとえばユーザー数が100人のシステムと100万人のシステムでは、用意すべきインフラ環境は大きく異なります。適切なインフラ環境を作れるよう、クライアントのニーズ、予算、規模感などを踏まえてプロジェクトを立ち上げます。

ハードウェアの調達・設置・運用・保守

ハードウェアとは、リクエストに応じたデータを供給する「サーバ」や、膨大なデータを保存するための機器である「ストレージ」、ネットワーク機器、PCといった物理的な装置・機器のこと。インフラエンジニアは、要件をもとにハードウェアの選定やサーバのマウント作業、他機器との接続などを行います。

ネットワークの設計・構築・運用・保守

Webサービスやアプリを使用するために欠かせないのがネットワーク環境。インフラエンジニアは、必要なネットワークスペックの算出や設計書の作成、機器やサービスの導入、構築などを担います。プログラムを書くような仕事は少なく、ルーターやケーブルの設置・設定、動作チェックといった物理的な設計や作業を行います。

OSの設定・運用・保守

OSとは、コンピューターを動かすための土台となるソフトウェア(コンピュータを作動させるためのプログラム)のこと。代表的なOSとしては、PCに組み込まれる「Windows」「macOS」やサーバに組み込まれる「Linux」「Windows Server」などがあります。これらのOSをハードウェアにインストールしたり、各種設定を行ったりするのもインフラエンジニアの仕事の一つです。

ミドルウェアのインストール・構築・運用・保守

ミドルウェアとは、OSでは行えない複雑な処理を実現するソフトウェアのこと。たとえばサーバやデータベースとのやりとりや音声・動画再生などは、ミドルウェアが担います。インフラエンジニアは、そんなミドルウェアのインストールや構築、運用・保守を行います。

トラブル対応

「社内ネットワークが繋がらない」「サーバとうまく接続できない」「サイバー攻撃を受けた」といったトラブルに対応するのも、インフラエンジニアの重要な仕事のひとつ。問題の箇所を特定して解決に導いたり、被害への対処を行ったりします。トラブルは突発的に発生するため、緊急出動が必要となることもあります。

インフラエンジニアに必要な知識・スキル

インフラエンジニアにはどのようなスキルが求められるのでしょうか?以下で詳しく解説します。

ネットワーク機器やサーバ関連の知識

インフラエンジニアには、ネットワーク機器やサーバ関連の知識が欠かせません。具体的には各種サーバやネットワーク機器のスペックや仕様などの知識、物理作業のスキル、ハードウェアにインストールするOSやミドルウェアの知識などが挙げられます。

セキュリティ関連の知識・スキル

インフラが脆弱だとシステム障害が起こりやすくなったり、サイバー攻撃による被害を受けやすくなったりしてしまいます。このようなトラブルを未然に防ぐ必要があるため、インフラエンジニアにはセキュリティの知識も欠かせません。たとえば、重要なセキュリティ技術である暗号技術や認証技術、セキュリティ対策で使用するツールなどの知識・スキルが必要となります。

クラウドに関する知識・スキル

近年は、ハードウェアを物理的な構成にとらわれずクラウド上に格納し、自由に統合・分割できる仮想化技術が発達しています。このようなクラウドサービスの知識・スキルも、現代のインフラエンジニアには必要です。よく使われるパブリッククラウドサービスとしては、Microsoft社が提供する「Azure」、Amazon社の「AWS」、Google社の「GCP」などがあります。

コミュニケーション能力

インフラエンジニアは、「ネットワークエンジニア」「サーバエンジニア」「データベースエンジニア」とそれぞれの専門分野にあわせて分業されることも多く、各エンジニアやプロジェクトマネージャーとの連携が必要。さらにはWeb・アプリケーションを開発するシステムエンジニアともコミュニケーションを取る必要があります。それぞれ有している知識やスキルセットは異なるため、相手の目線に立って分かりやすく説明する力や、話の意図を汲み取る力が求められるでしょう。

ドキュメンテーションスキル

インフラ構築〜運用のプロジェクトには、情報の共有漏れや共通認識のずれを防ぐためにドキュメント(仕様書や設計図などの記録物)がよく用いられます。そのためインフラエンジニアには、誰が見ても理解できるようなドキュメントを作成する能力も求められるでしょう。具体的には、さまざまな状況や手順を言語化する力、物事を構造的に捉える力、図や表を使いながら分かりやすく説明する力などが挙げられます。

給与相場

求人ボックス 給料ナビ ※2023年10月20日現在」によると、データベースエンジニアの平均年収は517万円。要件定義や設計などの上流工程が担えるようになると、年収はさらに高まるでしょう。

インフラエンジニアのキャリアパス

インフラエンジニアは、経験を積むとさまざまな職種や役職へとキャリアアップができます。どのようなキャリアパスがあるのか、以下でご紹介します。

プロジェクトのリーダー・マネージャー

インフラエンジニアとして設計〜運用・保守の実績を積んでいけば、プロジェクトを取りまとめたり、クライアントのニーズをもとに要件定義を行ったりするリーダー・マネージャーへとステップアップすることができます。

スペシャリスト

スペシャリストとは、特定分野のスキルや知識を極めた人のこと。具体的には「サーバエンジニア」「ネットワークエンジニア」「クラウドエンジニア」「データベースエンジニア」などが存在します。専門分野に特化してスキルアップするとさまざまな現場で需要が生まれるため、フリーランスとして活躍することも可能になるでしょう。

ITコンサルタント

インフラの知識・スキルに加えてコミュニケーションスキルや交渉力などのビジネススキルを身につけられれば、ITコンサルタントへの転身も可能になります。ITコンサルタントはクライアントに直接ヒアリングや提案を行ったり、プロジェクトを発足させてエンジニアなどへ作業を依頼する仕事。全体を俯瞰する立場であるため、経営視点も身につきます。

インフラエンジニアの将来性

これまでのインフラエンジニアは、サーバの構築・設置など物理的な作業を担うことが多い仕事でした。しかし近年はオンプレミスからクラウドへと移行が進んでおり、現場にいなくともインフラ環境が構築できるように。これに伴って、従来のインフラ業務の需要は減少している反面、仮想サーバの構築・設計といったクラウド関連業務の需要は上昇しています。

また近年は、システムを開発する際に「リーンスタートアップ」を採用する企業が増えています。

リーンスタートアップとは、システムを最低限の機能がある段階でリリースし、機能追加やバージョンアップはユーザーの反応を見ながらリリース後に行っていくという手法のこと。

また、即座にユーザーの反応を察知して改善する「DevOps」という考え方も周知されはじめています。クラウドはこのようなアジャイル型の開発ともとても相性がよく、ニーズに応じて素早くサーバ追加やスペック変更が可能です。クラウド環境でのインフラ構築や運用ができるインフラエンジニアは、今後もさらに重宝されるでしょう。

時代の変化に対応できる、柔軟なインフラエンジニアを目指そう

本記事ではインフラエンジニアの仕事内容や給与相場、将来性、必要なスキルなどについてご紹介しました。ITインフラは近年大きな変化を遂げており、インフラエンジニアに求められるスキル・知識も以前とは全く異なるものになってきています。そのためクラウドなどの最新技術を理解しているインフラエンジニアは、今後ますます活躍の場が広がるでしょう。常に学ぶ姿勢を保ち、時代の変化に対応できるインフラエンジニアを目指してみてください。

また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。

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