フリーランスエンジニアは会社員とは異なり契約を交わしてプロジェクトに参加しています。
しかし、その期間はプロジェクトによってさまざまで
他の人たちはどの程度の期間で契約を交わしているのだろう？
と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、長期契約や短期契約のメリット・デメリットなど、最適な契約期間を決めるヒントをご紹介します。
フリーランスにおける契約期間の種類
まず契約期間には主に短期と長期があります。それぞれの特徴について見ていきましょう。
1週間～3ヶ月にわたって稼働するプロジェクトを指します。短期案件のなかでも、1ヶ月ごとの契約となる場合は「単月契約」と呼ばれることも。プロジェクトの内容としては主に、既存のソフトウェアの改善やバグ修正、メンテナンス、新しいプロトタイプの作成などが中心となります。
半年～1年間稼働するプロジェクトを指します。短期契約よりも期間が長く、主に一定以上の時間を必要とするプロジェクトの場合が多いです。プロジェクト例としては、大規模なソフトウェア開発や既存システムの改修、新たな機能の追加など、特定の成果物を生み出すプロジェクトが中心となります。
短期契約を選ぶメリット・デメリット
短期契約を選んだ場合には、エンジニアにとってどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット1.さまざまな案件に携われる
契約期間の制約を受けづらいのでさまざまな案件に参画することができます。例えば、興味のある分野のプロジェクトや、流行りの技術を取り入れているプロジェクトなど、短期間で幅広い経験を積むことができるでしょう。
メリット2.ストレスになるプロジェクトから離脱しやすい
長期契約の場合、人間関係や業務内容のミスマッチがあったとしても我慢して続ける必要があります。しかし、短期契約では数週間から1ヶ月程度のプロジェクトが多いので、無理に続けてストレスを溜め込む心配がありません。
メリット3.新しい技術や業界トレンドに迅速に適応できる
短期間でさまざまなプロジェクトを経験できるので、最新技術に触れる機会や人気プロジェクトに関わるチャンスも豊富です。あらゆる業界のさまざまなプロジェクトを経験することで、自身の市場価値を高めることにもつながるでしょう。
デメリット1.収入が不安定
会社員エンジ二アと違い月給制ではないため、プロジェクトが終了すれば収入が途絶える恐れがあります。特に短期契約では、契約終了後すぐに次のプロジェクトを見つけなければならないため、業務と平行して常に次のプロジェクトを見つけるために行動しなければなりません。
デメリット2.経歴にキズがつく可能性がある
短期契約のプロジェクトばかりだと、クライアントとの面接時において
契約が続かない理由や欠点があるではないか？
と疑いの目を向けられてしまうリスクもあります。
クライアント側は安心してプロジェクトを任せられる人材を探したいため、そうした過去の契約期間も判断材料となるからです。短期契約を繰り返すことは経歴にキズありと判断されやすい状態をつくりだす危険性を高めることにもなります。
デメリット3.プロジェクトに深く関与できない
長期契約と比較して短期契約ではプロジェクトに対して深く関与することができません。
例えば、
自分が担当した業務はプロジェクトにどう貢献したのか
など、
プロジェクトに対する理解や成果への実感を得られることなく契約満了となることがあります。
長期契約を選ぶメリット・デメリット
では、長期契約を選ぶメリット・デメリットにはどんなことがあるでしょうか。
メリット1.安定した収入を得られる
常に新しいプロジェクトを探す必要がある短期契約と違い、長期契約で安定して収入を得ることができます。安定した収入源を確保することで、日々の生活の計画や将来設計が立てやすくなるでしょう。
また、
新しいプロジェクトを見つけられるだろうか
という不安に対するストレスも軽減することができます。
メリット2.クライアントやメンバーと良好な関係を築ける
長く同じプロジェクトで働くことで、クライアントとの信頼関係を築くことができます。信頼関係が築けると、より大きなプロジェクトや責任のある役割を任される機会が増え、自身のスキルやキャリアを伸ばせるチャンスを増やせます。また、他のエンジニアとも良好な関係を築きやすく、業界内でのネットワークが広がることで、新たなプロジェクト獲得もしやすくなる可能性があります。
メリット3.クライアントの業務や開発環境の理解が深まる
同じプロジェクトに長期で参画し続けることで、クライアントの業務内容や開発環境への理解を深めることにつながります。スキルや経験の蓄積は他のエンジニアとの差別化にもなり、自身の市場価値を向上させることにもつながります。
デメリット1.長期間同じプロジェクトに縛られる
長期契約では、ずっと同じプロジェクトに携わっていかなければならないため、新たに興味をもった分野のプロジェクトがあっても変更することができません。自身がジョインするプロジェクトの内容に対して、柔軟性や自由度が失われてしまうため、
どんどん新しいことにチャレンジしたい！
というエンジニアには向いていないかもしれません。
デメリット2.新しい技術やトレンドを知る機会が減る
ひとつのプロジェクトに長く取り組むことで、新たな技術を身につけたり、視野を広げたりする機会が減る可能性も高まります。新しい技術やトレンドを知る機会が減ることは、エンジニアにとって自身の市場価値の低下だけではなく、自己成長の停滞によるモチベーション低下にもつながります。
デメリット3.途中で契約を打ち切られる可能性もある
長期契約だったとしてもプロジェクトの途中で何らかの理由（予算の削減、企業の戦略変更、プロジェクトのキャンセルなど）で契約が打ち切られる可能性は十分にあります。そのようなリスクを軽減するためには、ひとつのプロジェクトやクライアントに依存せず、短期契約のプロジェクトと並行して進めるなど収入源を分散させるという対策もとっておくと良いでしょう。
適切な契約期間の選び方
上述したように契約期間によってそれぞれメリットとデメリットがありますが、フリーランスエンジニアが自身に合った契約期間を適切に見極めるためには、どうしたら良いのでしょうか。
特にフリーランスになりたてで、自分に適した契約期間や相場がわからない場合、単月契約からはじめることがオススメです。単月契約を試験的な期間として活用することで、自分のスキルがプロジェクトに合っているか、クライアントと良好なコミュニケーションが取れるかなどを確認することができます。そうすることで、長期契約に移行する前のリスクを最小限に抑えられるでしょう。
単月契約を通じて業界内の相場や自分のスキルがどの程度活かせるのかについて確認できたら、つぎに3ヶ月の短期契約に挑戦してみましょう。短期契約に移行してより専門性の高いスキルや経験を身につけることで実績を伸ばしやすくなり、実績が評価されればその後の単価交渉もスムーズに進めることができるようになります。
短期契約でさまざまなプロジェクトを経験し、信用を積み重ねることで、1年もしくは1年以上の長期契約を獲得するチャンスも増えるでしょう。その場合、これまで培ったスキルや経験がプロジェクトに見合っているかを適切に判断し、しっかりと準備したうえで長期契約を結ぶことが大切です
自分に合った契約期間を選び、市場価値の高いエンジニアになろう
フリーランスエンジニアにとって適切な契約期間を選ぶことは、収入の安定性やスキル習得の機会などキャリア形成において大きな影響を及ぼします。フリーランスエンジニアとしてより充実した生活を送りたい人は、それぞれの契約期間がもつ特徴について理解し、自身のスキルやニーズに沿って最適な契約期間を選べるようになりましょう。
また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。
