フリーランスとして活動する中で、印鑑は必需品です。そのため、フリーランスにはビジネス用と個人用、両方の印鑑が求められます。しかし、フリーランスになりたての方のなかには、どのような印鑑が必要なのかわからないという方もいるでしょう。そこで、本記事ではフリーランスにとって必要な印鑑の種類や選び方、登録方法などを詳しく解説します。印鑑についてよくわからないというフリーランスの方や、これからフリーランスとして独立することを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
フリーランスに印鑑が必要な5つの理由
そもそもなぜフリーランスは印鑑が必須なのでしょうか?代表的な5つの理由について解説します。
フリーランスは、幅広い業者と契約を交わしながらビジネスを進めていきます。その商取引で成り立つ契約書作成の際、印鑑は不可欠です。 デジタルサインや電子認証が広まりつつありますが、やはり多くの取引では印鑑を用いた書類が主流となっています。
フリーランスは自分で収益や支払いを管理する必要があります。銀行口座を開設したり、口座名義を変更したりする場合はもちろん、事業用の口座を開設する際にはも印鑑は欠かせません。
さらなるビジネス拡大に向けて法人化を行う際の手続きや、その後の社内関連の書類でも印鑑は欠かせません。また、税金関連の確定申告書などにも印鑑が必要となります。
印鑑は特許申請や商標登録など、特殊な公的な手続きにも必要です。こうした場合、印鑑の威力は正式な署名と同等とみなされます。
印鑑は業務を適切に実行し、契約を遵守する意思があることの証明となります。フリーランスの場合、個人の能力が直接ビジネスの成績に影響をおよぼすため、信頼性は極めて重要です。
フリーランスに必要な印鑑の種類
フリーランスに必要な印鑑の種類として、実印、認印、銀行印という3つの種類があげられます。大切な取引をするときに欠かせないため、まずは、それぞれの印鑑のちがいと用途についてきちんと理解をしておきましょう。
個人や法人の身分や権限を証明するための印鑑で、これがあれば自分自身であることを証明することが可能です。主に重要な契約を結ぶ際に使用し、具体的な使用例として不動産の売買契約や会社の設立、大きな取引などがあげられます。大きさについては一般的に男性は約18ミリ、女性が約15ミリ程度と言われているのですが、実際には各人で大小が異なります。また、家族間で印鑑を共有せず、1人1つ所有するのが一般的です。
日常的なシーンで使用する印鑑で、実印と比較すると使用する場面は広範囲。法的な拘束力は少ないですが、個人の意志を示すために使用されます。例えば荷物の受け取りや領収書へのサイン、あるいは契約書の作成など。しかし、実印ほどの公的な信用をもたないため、大きな契約を結ぶ際などには使うことはほぼありません。大きさや形状については、特に決まりはないため、自分が使いやすい大きさやデザインを選べば良いでしょう。
銀行が関与する手続きに際して使われる印鑑のことを指します。具体的には、口座開設時の申告や、振込や引き出しの際の確認、そして預金通帳の作成時など。こうした金融取引で正式に認められるためには、事前に銀行に印鑑を登録しておく必要があります。また、銀行印は盗難や紛失時のリスクを減らすという目的で、実印とは別のものを使用することが一般的です。
フリーランスのニーズに合った印鑑の選び方
必要な印鑑の種類についてはわかりましたが、実際に印鑑を選び際にはどんなポイントに気をつけて選んだら良いのでしょうか。以下5つのポイントをみていきましょう。
印鑑にはさまざまな素材がありますが、ビジネス用途の場合は一般的に水牛や象牙が推奨されます。これらの素材は手触りがよく、印影も鮮明に残るため、信頼感を伝えるのに適しています。弁護士や公認会計士など一部の専門職では、象牙の印鑑が求められる場合があるため、事前に調べておきましょう。
印鑑の形状とサイズも印鑑を選ぶさいの重要なポイントになります。一般的に、正方形や円形、楕円形などのシンプルな形状がビジネスには適しているといわれています。特にフリーランスの場合は、フレキシブルな業務を示す意味で円形を選ぶと良いでしょう。また、サイズについては、公式な文書に使用する銀行印の場合13.5~18mm程度が適しています。
印鑑を作る際に選べる書体には篆書、隷書、楷書などが一般的です。篆書は豪華な印象を与えるため、自信と気品を表現したい場合に適しています。隷書はエネルギッシュな印象なので、大胆さと力強さを示したい時にピッタリでしょう。一方、ビジネス用途としては読みやすさが重視されるため、バランスがよく、カジュアルでもフォーマルでも使うことのできる楷書がオススメです。
印鑑はフリーランスにとって自身のアイデンティティを表す重要なツールのひとつです。そのため、質の高い印鑑を手に入れるためには、プロの印鑑作りの職人に依頼すると良いでしょう。職人があなたのビジネスや性格、好みなどを理解した上で、最も適した素材や形状、サイズ、書体を提案してくれるため、あなただけのオリジナルの印鑑を生み出すことができます。
1つの印鑑だけでなく、用途によって複数の印鑑を持つのも効果的です。例えば、日常的な業務用と契約書用とで、サイズや書体が異なるものを選ぶのもオススメです。業務用印鑑はカジュアルな印象、契約書用印鑑はフォーマルな印象をそれぞれ表現することで、適材適所に印鑑を使用することもできるでしょう。
印鑑登録のステップ
印鑑をつくったあとは印鑑登録を忘れずにしましょう。印鑑登録をすることで、契約書や法的文書における本人の意思確認として法的効力をもたせることができます。以下、具体的なステップになります。
実印を登録する際には、公的な身分証明書が必要です。運転免許証やパスポート、住民基本台帳カードなど、写真付きで本人確認が可能な書類を役所に持参しましょう。これにより、印鑑登録の際の本人確認が行われ、安全かつ適切な手続きが実施されます。
実印の登録には、居住地の市区町村役場を訪れる必要があります。ここで印鑑登録申請を行い、対応する窓口で本人確認後、必要書類を提出します。役場での手続きは、印鑑登録証の交付に不可欠です
提供される申請書に個人情報を記入し、登録する実印を押印します。これは、申請者が印鑑の所有者であることを証明し、役所での登録作業の基となります。
役場で提出された印鑑と申請書は職員によって審査されます。印鑑が登録基準を満たしていれば、印鑑登録証が発行され、法的な実印として公的に認められます。
登録が完了すると、印鑑登録証が交付されます。この証明書は重要な文書であるため、紛失しないように注意して保管する必要があります。
信頼構築・ビジネス拡大のツールとして印鑑をつくろう
フリーランスとして独立する際、個人事業主として信頼を築き上げるための第一歩として、印鑑は重要なツールとなります。また将来的にビジネスを拡大するうえでも大きな力となるため、必要な種類や用途についてきちんと理解し、きちんと準備をしておきましょう。
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