フリーランスが法人化する前に知っておきたいデメリットとは?

節税や事業拡大に向けて法人化を検討するフリーランスも多いはず。しかし、法人化のデメリットもあります。そこで本記事では、フリーランスから法人化することで発生する潜在的なリスクなど、直面する可能性のあるデメリットについて解説をします。法人化を考えているフリーランスは、賢明な判断を下すための知識として、ぜひ参考にしてください。

目次

法人化に伴う9つのデメリット

リーランスが法人化するにあたって、具体的にどんなデメリットがあるのでしょうか。

デメリット1:設立の登記に事案と費用がかかる

法人化の際には法務局での設立登記が必須です。特に株式会社を設立する場合、登記代や印紙代として約24万円が必要です。さらに、さまざまな書類の準備や出資金の手配が求められるため、設立の登記には時間がかかることがほとんどです。必要な書類は国税局のサイトで入手でき、手続き方法についての参考書なども市販されていますが、複雑な作業ではじめての人には難しいことも。司法書士や税理士に委託することも可能ですが、その場合約10万円ほどの追加費用が発生することを知っておきましょう。

デメリット2:登記可能な事務所が必要になる

法人登記の際、会社の所在地が必要となります。自宅の住所を利用することもできますが、

その場合、

賃貸だと事業用として使えない場合もありますし、住所を一般に公開することでプライバシーの問題も生じることがあります。

ことがあります。

また、金融機関からの融資の審査では、「法人と個人の分離」が評価基準となるため、自宅登記は不利に働くこともあります。そのため、別途事務所を借りることが推奨されますが、事務所探しにかかる労力や敷金・礼金などの初期費用が必要になります。

デメリット3:赤字でも税金を支払う必要がある

法人が赤字の場合、多くの税金が免除されるなかで、法人住民税の「道府県民税」と「市町村民税」の均等割りは利益を上げていなくても必ず納める必要があります。

具体的には、

道府県民税は最低2万円、市町村民税は最低5万円からとなり、会社の資本金や従業員の数によって税額が段階的に増える仕組みとなっています。

デメリット4:社会保険の加入義務が発生する

フリーランスの場合、特定の条件下でのみ社会保険への加入義務が生じますが、法人になると例え社長のみの会社でも加入は必須になります。

従業員をもつ場合は、

その人数分の社会保険料も企業が負担することになるので、経営に直接的な影響が出ることも。。。

法人化の際、人材を確保することは事業拡大の鍵ですが、社会保険料の負担増も考慮することも重要です。

デメリット5:毎月の給与が固定される

フリーランスはやればやった分だけ収入が増えますが、法人化すると毎月得られる給与は、事前に決めた役員報酬額で固定されてしまいます。たとえ事業が予想以上に成功したとしても、役員報酬額以上の収入を自由に使うことはできないため、法人化する際に決める役員報酬の金額は慎重に決める必要があります。

デメリット6:役員報酬が年度ごとに固定される

法人化してからの役員報酬は一度決めるとその後の変更が難しいです。変更できるのは新たな年度が始まってから3ヶ月以内だけと決められており、3ヶ月以降に増額した場合は、過ぎてしまうと役員報酬の全額が損金参入の対象外となります。

役員報酬の変更を行う場合は、株主総会を開催し、決議をとらねばならず、議事録の作成や税務署への届け出提出などの手続きも必要となります。

デメリット7:交際費として使える経費が少なくなる

法人化することで経費計上の範囲は広がるものの、接待にかかる飲食代などの交際費については使える経費が減ります。フリーランスの場合、この交際費を100%経費計上できますが、法人の場合は50%しか経費計上することができないためです。

出資金が1億円以下の企業では、年間の交際費の上限は800万円とされているため、資本金が1億円以上もしくはフリーランスとして多くの交際費を使っている場合は、注意をしましょう。

デメリット8:労働管理が複雑化する

フリーランスの時と比較して、労働管理が複雑化することも覚悟しなければなりません。特に従業員を雇用した場合は、自身の業務だけではなく、給与の管理や社会保険の手続き、勤怠のチェックなど、多くの管理業務が追加されることになります。さらに、フリーランスの時には適応しなかった労働基準法にも従う必要が生じます。これらの業務を1人で対処をするのは大きな負担となるため、専門家に委託するか、サポート役を雇うなどの対策を検討する必要があります。

デメリット9:決算作業などの事務負担が増加する

労働管理だけではなく、会計に関する処理も複雑化します。実際、法人の会計をきちんと行おうとすると、簿記2級レベルの知識が求められるといわれています。簿記の知識や経験がある場合は自分での対応も可能ですが、より業務に専念するためには、専門家である税理士に会計処理を委ねる方が良いでしょう。

デメリットを知ったうえで適切な判断をするためのポイント

フリーランスが法人化のデメリットを踏まえ、法人化に向けて適切な判断を下すためのポイントは以下の通りです。

ポイント1:目的を明確化する

目的によって、法人化のメリット・デメリットの影響や必要な準備が変わるため、なぜ法人化を希望しているのか、その背景や狙いをハッキリさせることが重要です。

目的が不明確なまま進めると、後々意図しない結果や問題が生じるリスクがあるため、最初にしっかり目的を設定することで、後のステップもスムーズに進めることができるでしょう。

ポイント2:財務状況を確認する

法人化には、設立の初期費用や継続的な経費、税務上の変動など、多くの経済的要因が影響します。これらの費用をきちんと把握し、自身のビジネスの現在の財務状態と照らし合わせて、きちんと運営・維持していけるかを検討しましょう。もし、法人化に伴う経費が自分の許容範囲を超える場合はタイミングや方法を再考することをオススメします。安定した運営のため、しっかりとした財務の土台を整えましょう

ポイント3:長期的なビジョンを考える

法人化を考える際、短期的な判断では法人化をするべきではありません。

・将来の事業展開
・人材の採用
・投資の方針

など、どのようにビジネスを育てていくか長期的なビジョンを考えることが重要です。

描いたビジョンに基づいて法人化のタイミングや準備を検討することで、スムーズな運営と持続的な成長も期待できるようになります。

ポイント4:リスクに備える

フリーランスから法人化をすることで、社会的・法的な責任は増大します。そのため、不慮の事故やトラブル、税制の変更など、多岐にわたるリスクがあることを事前に承知しておかねばなりません。起こり得るリスクを予測し、それに対する対策や準備をすることで、予期せぬ問題にも迅速に対応する体制を整えておくことができます。

ポイント5:専門家のサポートを受ける

専門家の意見を取り入れることは、法人化を進めるうえで確実なステップを踏むための鍵となります。法人化のプロセスや必要な手続き、リスク回避の方法に関する深い知識を持っている税理士や公認会計士、行政書士などのアドバイスや支援を活用することで、よりスムーズに法人化への移行を実現できます。

法人化に伴うリスクを知り、十分な対策をとろう

会社の設立には多くのデメリットもありますが、一方でメリットも十分にあるため、慎重に検討することが大切です。法人化を進める場合は、本記事を参考に、どんなデメリットやリスクがあるのかをしっかりと把握し、必要に応じてプロの手をかりながら手続きや問題を1つひとつ解決してください。

また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次