フリーランスになるために準備することは?知っておくべきポイントを解説

フリーランスとして独立すると自由なワークスタイルを実現できたり、成果に応じた収入を得られたり、案件を選べたりと、実力次第でさまざまなメリットを享受できます。特に昨今は働く人の価値観が多様化し、フリーランスを選択する人が増えています。しかし開業にあたってやるべきことや注意すべきことが多いことも事実です。そこで本記事では、フリーランスとして独立するために準備すべきことや注意すべきポイントを解説します。

目次

独立前のチェックリスト

フリーランスになることを検討している人は、本当に独立してからやっていけるのか、まず以下のチェックリストをもとに自分に問いかけてみてください。

スキルは十分か?

会社員の場合、入社後いきなり責任ある仕事を任されるケースは稀です。未経験入社であれば研修やOJTで育成してもらえることも多いでしょう。また案件をアサインされた後も困ったことがあれば周囲に相談できますし、場合によっては先輩や上司がサポートしてくれます。

しかし、フリーランスの場合、基本的には自力での解決が求められます。研修やOJTといった教育機会はないので、基本は独学でぶっつけ本番。案件を進める上で壁にぶつかってもクライアントを頼るわけにはいかず、自己解決が基本です。

また、

・見込み顧客獲得
・案件獲得のためのマーケティング
・営業
・価格交渉
・経理

など、

さまざまな業務を一人でこなす必要があります。そのため十分なスキルがない状態で独立すると、出だしから路頭に迷うリスクがあります。

金銭的な余裕はあるか?

会社員の場合、成果やパフォーマンスに関わらず、毎月固定の給与が振り込まれます。しかし、フリーランスの場合、案件を獲得できなければ収入はありません。また会社員だと社会保険料も会社と折半になりますが、フリーランスの場合は全額自己負担です。

当然、実力があれば売上がそのまま自分の収入になるので会社員時代より稼げるケースもあります。しかし差し引かれる保険料も多くなるので、会社員以上の収入を得るにはそれなりの売上が必要です。最初から安定して案件を獲得する自信がない方は、たとえ数ヶ月間収入が途絶えても生活できるだけの貯金をしてから独立するとよいでしょう。

自分を必要としてくれる顧客はいるか?

2030年には約79万人ものエンジニアが不足すると言われているように、IT業界は慢性的な人手不足です。そのためスキルのあるエンジニアの市場価値は年々高まっていて、実力がある方でしたらフリーランスになっても引っ張りだこになるでしょう。しかし、需要ない分野でフリーランスとして独立する場合、どんなにスキルに自信があったとしてもそもそもマーケットがないので食べていくことが難しい場合があります。

フリーランスを目指している方は、

・自分のスキルや提供しようとしているサービスに需要があるのか。
・「誰に」とって「どんなメリット」を提供できるのか。
・それは競合に比べて優位性があるのか。

よく検討してから独立するといいでしょう。

ビジネスプランを作成しよう

フリーランスになることを決意したら、ビジネスプランを作成しましょう。

ビジネスプランとは

ビジネスの概要に加え、どこに向かうのかを明確にしたロードマップ事業の方向性や目標、それらを達成するための戦略などを明確にした計画書になります。

ビジネスプランがあることで「自分たちが何者でどこに向かっていくのか」明確になり、意思決定もスムーズになります。では具体的にどんな要素を盛り込めばいいのでしょうか。

サマリー

まず

・ビジネスの概要
・ビジョン
・目標
・戦略

など、ビジネスプランを要約したサマリーを簡潔に作成します。

ビジネス概要

例えば、

提供するサービスや製品
ビジネスモデルなどあなたが展開しようとするビジネスの概要

を詳細に説明しましょう。

市場やターゲットの詳細

自分が勝負しようとしている

・市場の規模
・成長予測
・競争状況
・顧客となるターゲットのニーズや悩み
・業界のトレンド

などを細かく調査・分析し、記載します。

販売戦略

自分たちのサービスをどのように広めていくのか、マーケティングや販売戦略を描き、説明します。

財務計画

・収益予測
・損益計算書
・キャッシュフロー計画

など、ビジネスの財務的な見通しを説明し、記載しましょう。

業務に必要なツールを用意しよう

会社員の場合、パソコンや携帯、ITツールなどは会社で用意してくれるケースがほとんどです。しかし、フリーランスの場合は全て自分で用意する必要があります。

例えば、

・メールアドレスの取得
・WordやExcelなどのOfficeソフト
・チャットツール
・会計ソフトのインストール
・名刺
・ホームページ
・SNSアカウントの開設

など、

思いのほか準備するものはたくさんあります。ただ最近は無料かつ簡単に利用できるITツールも多いので、事業が軌道にのるまでは無料ツールをフル活用することをおすすめします。

開業届けの提出など法的手続きを済ませよう

必要なツールを揃えたら次は法的な手続きを行います。具体的にどんな手続きがあるのか見ていきましょう。

事業登録

フリーランスとして納税義務者になるためには市区町村の税務署に開業届を提出する必要があります。税務署の窓口に相談すれば書き方をレクチャーしてくれますし、税理士さんなどの専門家に申請の代行を依頼することもできます。

青色申告承認申請書の提出

会社員の場合は会社が年末調整をしてくれますが、フリーランスの場合は自分で確定申告をする必要があります。その際、青色申告と白色申告の2つの申告パターンから選ぶことができます。

青色申告の場合は厳密な会計帳簿の作成が必要な代わりに最大65万円の特別控除が適応されます。

白色申告の場合は簡易的な会計帳簿の作成が認められる代わりに、控除が受けられなかったり、赤字を繰り越して申請できなかったり、税制面での優遇がありません。

多少の手間はかかりますが、税制面の特典を享受し、節税対策をしたい方は青色申告を選ぶといいでしょう。青色申告を選択する際は、税務署に青色申告承認申請書を提出する必要があります。

国民健康保険への加入

会社員からフリーランスになると健康保険や厚生年金、雇用保険の制度から外れ、国民健康保険に加入することになります。国民健康保険に加入する場合は、退職してから14日以内に最寄りの市区町村役場で手続きを済ませましょう。

保険料は前年の収入や地域によって決まり、

・納付書払い
・口座振替
・年金天引き

のいずれかの方法で支払うことになります。

クライアントを獲得しよう

法的手続きを済ませたらいよいよフリーランスとしての活動がスタートします。しかし、会社員と違って待っていても仕事はきません。独立してからは自分で集客や営業活動をする必要があるのです。

とはいえ、これまで会社員として積み上げてきた人脈や信頼、実績がある方の場合、

もともと所属していた会社や取引があったクライアントから、独立後も継続して仕事を依頼してもらえるケースが多く、それほど営業に苦労はしないはず。

一方で経験・スキル・人脈ゼロの状態で独立した方は

イチからスキルを磨き、顧客を開拓し、実績を重ねていく必要がある。

険しい道のりですが案件獲得に向けて、フリーランス向けのセミナーやイベントに積極的に参加したり、SNSでの発信を通じてセルフブランディングをしたり、クラウドソーシングなどのプラットフォームを活用したりすることをおすすめします。

新規で飛び込みやテレアポをしてもフリーランスは法人と比べ信頼されにくく、アポや受注獲得の確度は高くありません。そのため良い仕事をして口コミ紹介で案件を獲得していく方法が最も効率的で確実な営業です。

仕事のアウトプットはもちろんですが、「この人と一緒に仕事がしたい」「この人とは仕事がしやすい」と感じてもらえる人間力を磨き、ぜひ売れっ子のフリーランスを目指してください。

体調管理もフリーランスの大切な仕事

実績を重ねていくと指名紹介で案件が舞い込んでくるようになります。ただ、フリーランスの場合、一度でも依頼を断ると二度と相談がこなくなケースも珍しくありません。収入も不安定なことから、依頼された仕事を次々と引き受けてしまいがちです。しかし、一人分のリソースしかないためすぐにキャパシティをオーバーしてしまい、体調を壊してしまう人も少なくありません。

フリーランスは休んだ分だけ収入が減ってしまうシビアな世界ですが、ストレスや体調管理も大切な仕事です。依頼された仕事を引き受けられなくても、代わりにお願いできるパートナーを日頃から開拓し、オーバーワークにならないよう注意しましょう。「会社員の方がよかった」と、せっかく独立したのに会社員に戻ってしまっては本末転倒。もし持続的にフリーランスとして活躍するのであれば、ぜひ「休む技術」も身につけましょう。

また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。

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