初心者でもプログラムの読み書きがしやすい言語として人気のPython。最近では、AIチャットボットサービスとして爆発的に普及している『ChatGPT』の開発にも使用されており、その将来性の高さから「Pythonエンジニアとして活躍してみたい」と思う方も増えていることでしょう。そこで本記事では、Pythonの特徴や仕事の種類、求められるスキルについて解説します。
Pythonの特徴について
まずは、世界中のエンジニアから人気を集めるPythonが、どんな特徴を持つのかをみていきましょう。
シンプルな文法で書きやすく、理解しやすい
文法がシンプルで必要最低限のものしかないため、書きやすいことが大きな特徴です。他人が書いたソースコードも読みやすく、開発現場においてもスムーズな進行に役立っています。また、初心者にもわかりやすく、学びやすいことから世界各国の大学で教育に用いられるケースが増えています。
コードが短く、読みやすい
Pythonでは動的型付けを採用しているため、プログラムの実行時にPythonが型を判断しています。そのため、開発者は事前に変数の型を記述する必要がありません。それにより、コードが短く、簡潔にもなり、結果としてエンジニアが読みやすいコードとなります。
短いサイクルで開発できる
インタプリタ型言語であるため、プログラム全体をコンパイルしなくても、コードを一行ずつ確認することができます。しかも書いた直後に結果を確認できるため、エンジニアはすぐにフィードバックを受け取り、修正や改善をすることが可能です。エラーが発生した場合も、どの行で起きたかを教えてくれるためデバッグがしやすく、開発時間を大幅に短縮することができます。
豊富なライブラリがある
開発を効率化するライブラリが豊富なことも特徴のひとつです。例えば、数学的な計算を手助けする『NumPy』や、データ分析を支援する『Pandas』、機械学習モデルを作るのを助ける『Scikit-learn』など。さまざまな目的に合わせたライブラリがあることで、イチからコードを書く手間が省け、効率的に開発を進めることができます。
汎用性の高いPythonを使用した仕事の種類
上述したように、豊富なライブラリがあることによって、汎用性が高いことでもよく知られているPython。では、具体的にPythonはどんな分野の仕事によく使用されているのかみてみましょう。
Web開発
主にWebサイトやWebアプリケーションをつくる際にPythonを使用しています。Pythonに内蔵されているフレームワークを使用することで、データベースとのやりとりやユーザーの認証など、一見難しそうな作業も簡単にこなすことができます。また、オープンソースのフレームワークである『Django』や『Flask』の活用や、Pythonが提供するライブラリを利用することで、よりスムーズに開発を進めることができるでしょう。
データ分析
Pythonのいくつかのライブラリを使うことで、大量の情報を効率的に整理し、分析することができます。具体的には、データの整理や計算を行う『Pandas』や『NumPy』、データを視覚化し、結果をわかりやすく伝える『Matplotlib』や『Seaborn』などが良く活用されています。これらのライブラリを活用し、売上データから人気商品を把握したり、アンケートデータから人々のトレンドの調査などが行われています。
機械学習・AI開発
Pythonのライブラリにある『scikit-learn』や『TensorFlow』を使用することで、データのパターンを認識し、未知のデータに対する予測を行うモデルを作成することができます。
例えば、
・過去の天気のデータから明日の天気を予測
・顧客の購買履歴から次に購入する商品を推測
など。
また、深層学習ライブラリの『Keras』や『PyTorch』を活用し、人間の脳の働きを模倣したニューラルネットワークを構築することも可能です。
自動化・スクリプティング
『smtplib』や『requests』『os』『glob』などを活用して、一定のタスクをコンピューターで自動的に行わせることを指します。
例えば、
・毎日決まった時間にメールを送信
・Webサイトから定期的に情報を取得
など。
このような作業を自動化することで、開発者は大幅に時間を節約することができます。
ネットワークエンジニアリング
『Netmiko』『 NAPALM』『 Ansible』などのライブラリを使って、ネットワークデバイスの設定や監視、トラブルシューティングなどの定期的なタスクを、自動化・効率化する作業を指します。
具体的には、
・ネットワークスイッチやルーターの設定を一括で行う
・ネットワークの状態を定期的にチェックして問題が発生したら自動的に警告を送る
など。
手作業では時間がかかる作業を自動化し、作業効率をアップさせることができます。
Pythonエンジニアに求められるスキル
人気が高く、さまざまな分野で使用されていることから、今後もPythonエンジニアの需要は伸び続けることが期待されています。では、そんな将来性が高いPythonエンジニアにはどんなスキルが求められるのでしょうか。
Pythonプログラミングスキル
Pythonの基本的なプログラミングスキルをもち、設計書に基づいて的確にPythonで実装できるスキルがあることは欠かせません。また、Pythonには2系と最新版である3系の2つのバージョンがあります。ですが互換性がないため、それぞれのソースコードの書き方を身につけておく必要があります。企業によっては、最新版の3系ではなく2系を採用しているところもまだ多いため、2系と3系を両方とも扱えるスキルがあると良いです。
フレームワーク・ライブラリへの理解
Pythonが提供するライブラリについての知識やスキルも必要です。案件によっては特定のフレームワークの知識や経験が求められるものもあるため、身につけておくことで自身が受注できる案件の幅が広がるでしょう。また、ライブラリやフレームワークを効果的に活用することで開発効率を向上できるため、より多くの仕事をこなし、収入を増やすことが可能になります。
PHPやRubyなど他のプログラミング言語スキル
Pythonエンジニアとして活躍するためには、Pythonの理解が最優先ですが、時間と余裕があれば他のプログラミング言語も学ぶと幅が広がります。特にWeb開発に携わるなら、PHPやRubyのような他のサーバーサイド言語、そしてフロントエンド技術のJavaScript、HTML/CSSも習得すると有利です。これらの知識を持つことで、より多くの案件に対応することができるようになるでしょう。
データ分析・解析スキル
Pythonはデータサイエンスの領域でも頻繁に使用されるため、統計や回帰分析などのデータ分析スキルがあると、エンジニアにとって大きなアドバンテージになります。また、クライアントが必要とするデータ分析を的確に行うためには、適宜依頼された分野について知識を深めることも大切です。
Python初心者向けの学習サイト
Pythonエンジニアを目指してこれから勉強をしていきたい場合、どうやって学習を進めたらよいのでしょうか。以下ではPython初心者向けの学習サイトを紹介します。
Codecademy
世界的に有名なプログラミング学習サイトです。対話型の学習プラットフォームが特徴で、Pythonを含む多くのプログラミング言語のコースが用意されています。基本的な概念を学ぶだけでなく、ブラウザ上で実際にコードを書きながら学ぶことが可能です。
Coursera
世界中の有名大学や教育機関が提供するオンラインコースを集めたプラットフォームで、Pythonについても多くのコースが用意されています。コースを受講し、課題をクリアすると、コース修了証や学位、認証資格などを取得することができます。取得後は履歴書やLinkedInにも記載できるため、案件獲得時のアピールにも使えます。
Progate
初心者でも手軽にプログラミングを学べるオンライン学習プラットフォームです。スライドを使った学習形式でパソコン・スマホ両方で利用できるため、スキマ時間や自分のペースで学習を進めることができます。また、ブラウザに直接プログラムを書き込んだあと、間違えている場合には指摘もしてくれるため、その場で改善することが可能です。Progate独自の経験値やレベルをためるシステムがあり、ゲーム感覚で楽しく継続できるのも初心者にとってモチベーションになるでしょう。
Pythonを習得し、将来性のある分野で活躍しよう
使いやすさや汎用性の高さから、Pythonエンジニアの需要は今後ますます高まっていくことが予想されます。そのため、これからエンジニアを目指す方や、スキルアップとして新たに身につけたいと考えるエンジニアにとって、Pythonはオススメの言語です。将来性の高いPythonを習得することで、人気サービスを生み出すエンジニアとして活躍できるチャンスを獲得してください。
また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。