ITエンジニアは常にスキルアップが求められる専門職です。日進月歩のIT業界は変化のスピードが凄まじく、重宝される技術やスキルも日々変わっています。幅広い業種から引く手あまたの技術もあれば、いわゆる“オワコン”となった技術もあります。ITエンジニアの収入と活躍の場は、自身のスキルアップで勝ち取るしかないシビアな業界と言っても過言ではありません。
だからこそ、
IT業界は今どのような状況にあるか
世の中の社会や企業はITエンジニアに何を求めているか
など、
IT業界の最新トレンドを知ることが大切です。特に2023年はChat GPTに代表されるようなAIやメタバースなどのDX推進が加速し、身近な場面においてもITの進化とトレンドの変化を実感することが増えています。本記事でIT業界の最新動向をチェックしていただけたら幸いです。
【2023年版】IT業界の動向
コロナ禍がもたらした、IT業化全体の変化
ご承知の通り、2020年からのコロナ禍は世の中に大きな変化をもたらしました。世界中で人と人の接触が制限され、ビジネスシーンではテレワークやオンライン無料通話アプリなどの普及が進み、これまで以上に経済・社会のデジタル化の重要性が明らかになりました。その結果、企業のクラウド活用や、DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れが一気に加速。家庭においてもeコマースや定額制と言われるサブスクリプション型のサービスが増加。約3年間続いたコロナ禍は、ビジネス社会そして個人の消費行動をオンライン化しました。
2023年になってコロナ禍は落ち着きをみせており、以前のような日常生活が戻ってきました。しかしながら、コロナ前・後と言われるように前述した「新しい働き方」は継続されています。リモートワークを導入する企業は多く、以前のようなオフィス出勤は減少、人事や経理などの業務システムをSaaSに切り替える企業が増加。DX(デジタルトランスフォーメーション)に精通したITエンジニアのニーズが非常に高まっています。
経済産業省が推進推奨するDX化も、変化を後押し
経済産業省が警告する「2025年の崖」をご存知でしょうか。
「2025年の崖」とは、
日本企業がDXの取り組みを十分に行わなかった場合、2025年以降に年間で最大12兆円の経済損失が発生し、国際競争力を失ってしまうという大きな課題のこと。
今国内であらゆる業界の企業にDX推進を強く呼びかけており、これまでのように大企業だけでなく、中小企業にも今後は波及していく可能性が非常に高いのです。DX分野に精通した人材はまだ市場に少ないため、DXエンジニアは今後さらなる売り手市場となる可能性があります。
【2023年版】主要テクノロジーのトレンド
世界中で注目される最先端技術のトレンドをご紹介します。日々新しい技術が生まれるIT業界ですが、下記にピックアップしたのが主要なテクノロジーになります。
特に
・AI(人口知能)
・データサイエンス
・IoT
の分野はここ数年で需要が伸びており、
・メタバース
・ブロックチェーン
・NFT
といった、いわゆるWeb3.0系の技術は特に注目されています。
●機械学習
データを分析する方法の1つ。
●AI(人口知能)
機械学習によって人工的に人間と同じような処理を行えるように再現したテクノロジーのことを、人工知能(AI)と呼びます。
AIがあれば膨大なデータの処理やデータに基づいた予測も可能。スマートスピーカーや検索システム、医療や農業といった身近な場でAIは幅広く活用されています。
●DX
Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略。
皆さんもご存知のフリマアプリ「メルカリ」やタクシー配車アプリ「GO」なども、DXの取り組みによって作られたものです。
●メタバース
超越を意味する「Meta」と宇宙を意味する「Universe」を組み合わせた造語。
仮想空間内での経済活動やビジネスでの活用も期待されています。
●ブロックチェーン
ビットコインを中心とする仮想通貨のコア技術です。
改ざんが非常に困難で、不正を働く人がいたとしても正しく取引が完了される仕組みです。
●NFT
「Non Fungible Token」の略で、日本語では非代替性トークンと訳されます。
アート分野やメタバース上のアイテム取引で活用されており、投資対象としての側面もあります。
●データサイエンス
データの分析についての学問分野。
●IoT
「Internet of Things」の略称で、訳すと「モノのインターネット」です。
スマート家電やシェアサイクルに導入されています。
【2023年版】今エンジニアに求められる言語とスキル
▼今注目されているプログラミング言語は?
ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」を発表しています。毎月更新されるプログラミング言語の人気度を示すランキングは以下でした(2023年6月)。
- Python
- C言語
- C++
- Java
- C#
- VB
- JavaScript
- PHP
- SQL
- Assembly language
1位の「Python」は、AI開発、Webアプリ開発まで幅広い分野で利用される言語であり、シンプルな文法で初心者も扱いやすいのが特徴です。
2位以降は、C言語、C++、Javaなどおなじみの有名プログラミング言語がランクインしており、根強い人気があることを物語ります。
今後は更にAI、機械学習、データ分析などの分野がより勢いづくと予測されていますので、「Python」にはより強い注目が集まる可能性があります。
▼エンジニアに求められるスキルは?
進化するスピードが早いIT業界では、自身の力を磨き、どのような環境でも「企業に求められる人材」に成長することが大切です。そのためには、ITスキルだけでなく業種を問わず重視される以下のスキルを身につけて、自身の市場価値を上げていきましょう。
●コミュニケーションスキル
ビジネスにおいて、コミュニケーションスキルは社内外を問わず欠かせません。相手を深く理解し、情報を正確に伝え、相手の求めるものを汲み取ることで、あらゆる人と円滑な関係づくりが可能になります。
● 論理的思考力
すべてのITエンジニアに共通して求められるのが論理的思考力です。これはシステムの開発における課題解決やプログラミングのときに必要とされるものです。さらにクライアントに対して説得力のある提案をしたり、プロジェクトメンバーに業務の内容を理路整然と説明したりするときにも求められる重要なスキルです。
● 問題発見・解決能力
トラブルが発生した際に問題を解決するスキルは、ITエンジニアに最も必要です。プロジェクトでは、課題の発見と管理は重要視される業務。ITの開発や保守において、バグや障害の発生原因の特定、対処方法の策定は避けることのできない業務です。決められた納期までに品質の高いITプロダクト・サービスを提供する上で必須となるスキルです。
▼どうやって言語やスキルを身につければいいの?
日々業務で忙しいITエンジニアですが、キャリアアップに成功している人は隙間時間に独学で書籍や学習サイトを活用して学んでいます。
などの学習サイトが人気です。
基礎が身についたら、サンプルコードを真似して実際のプログラミングを行っていきましょう。少しずつオリジナルの要素を加えていくことで、応用力を身につけられます。
学習中に不明点が生じたときは、質問サイトを活用しましょう。ITエンジニア特化型Q&Aサイト「teratail」をはじめとする質問サイトでは、プログラミングに関する質問をしたり、他の人が投稿した質問・解答を閲覧したりできます。
▼IT最新トレンドを活用・導入した企業の成功事例
IT最新技術を導入した企業の成功事例をご紹介します。
日本郵船株式会社
海運における日本最大の総合物流企業です。2014年から社外のITソリューションを活用し、レガシーシステムを刷新しています。技術本部にDX促進グループを設置し、ITシステム基盤を整備。マネージドサービスを導入して全社の業務プロセスを標準化したり、DX推進のための技術系のグループ会社を設立したり、様々な取り組みをされています。
【DXの取り組み】
●AIを活用し、100隻以上の船隊の配船計画を効率的に立案
●船上の機関プラントの異常をAIに検知・学習させ、安全性を向上
ヤマトホールディングス株式会社
ヤマト運輸株式会社を傘下に持つ大手宅配企業です。DXにより業務効率化を推進しています。EC専門の物流ネットワークを構築し、取扱荷物量の実績と予測データを分析して効率的に拠点展開・再配置を行えるようにしました。コストの適正化にも成功しています。
【DXの取り組み】
●集配ルートの自動設定などができる業務支援ツールを開発し、配送を効率化
●IoTデバイスによる荷物の位置や湿度などのモニタリングプラットホームを開発
求められるのは、自己研鑽を続けるITエンジニア
現在IT業界では、AIやIoT、5Gなど新たなデジタル技術を使い、新たな試みがたくさん生まれています。今後は既存の業界のビジネスとデジタル技術を掛け合わせ、世界中で新たなサービスが生まれることになるでしょう。さまざまな分野でIT技術やサービスが求められる中で、今後より一層ITエンジニアに求められることも増えていくに違いありません。
IT業界は技術進化のスピードが速く、その中で生き残っていくためには日々スキルを磨く必要があります。IT業界で活躍し続けるのは容易なことではありませんが、常にIT業界の動向を把握し、自身のスキルアップを欠かさないようにしましょう。自己研鑽し続けるエンジニアにだけ、明るい未来が待っています。
また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。