請負契約と業務委託の違いは?メリットやリスク、契約時の注意点について解説

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フリーランスになったばかりで

請負契約と業務委託の違いがわからない

という方も多いのではないでしょうか。

「請負契約」と「業務委託」は似ているようで厳密には契約の内容が異なります。特にエンジニアやクリエイターとして活躍する場合、その違いを理解していないと後々トラブルになる恐れもあります。そこで本記事では、それぞれの契約形態の定義や主な違い、メリット・デメリットと注意点について解説します。契約形態に関する理解を深め、自身のビジネスをより効果的に、スムーズに運営したい方、ぜひ参考にしてください。

目次

請負契約とは

発注者となるクライアントから一定の報酬を受け取り、指定された仕事を完了することを約束する契約のことを指します。何かを作る、あるいは仕上げるという具体的な成果を約束し、約束した成果物がきちんとクライアントに納品されれば報酬が発生します。

業務委託契約とは

請負契約と異なり成果物の納品ではなく、決められた期間に特定の業務を行うことをクライアントと業者の間で取り交わす契約です。この契約により、業者はクライアントから指定された業務を全うする責任を負います。

請負契約と業務委託契約の主な違い

具体的に、請負契約と業務委託契約の違いにはどんな点があげられるのでしょうか。下記、主に5つの違いについて見ていきましょう。

成果物の明確さ

請負契約では納品する具体的な「成果物」が契約時に明確に定められます。一方で業務委託契約では、「従事する期間」と「どのような業務を行うか」が定められます

報酬の形態

請負契約では成果物の納品が確認され、それが契約に基づいていると認められた場合にのみ報酬が支払われます。一方で業務委託契約の場合は報酬形態が複数あり、時給や日給など時間単位での報酬、成果物単位での報酬、プロジェクト全体に対して一定の金額での固定報酬、売上や利益に基づく歩合制などがあります。

責任の所在

上述したように請負契約の報酬は成果物の納品に基づくため、業者は納品する成果物の品質に対する責任を負います。一方で業務委託契約では、業者は決められた期間内で業務を遂行する責任を負いますが、その結果に対しては原則として責任を持たないケースが多いです。契約期間が完了した時点で契約義務を果たしたとみなされます。

契約期間

請負契約は成果物の納品をもって契約が完了するため、契約期間は成果物の納品までとなり、それ以降の関係は基本的に継続しません。一方業務委託契約では、契約期間内いっぱいまで業務遂行が求められます。

指揮命令権

請負契約では業者は自己の裁量に基づいて作業を進めます。一方業務委託契約では、業務の具体的な進行については、業務を委託するクライアントから指示や命令を受けることがあります。

請負契約のメリット・デメリット

請負契約を結ぶメリットとデメリットには何があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

メリット1:スキルや専門知識を存分に活かせる

請負契約では個人事業主やフリーランスは特定の成果物やサービスの提供に対する完全な責任を負います。そのため自身のスキルと専門知識を最大限に活かし、高い品質の成果物を提供することで、高い評価を受ける機会が得られます。

メリット2:作業手法の自由度が高い

どのように作業を進めるかについての自由度が高く、個人事業主やフリーランスは自身の裁量で効率的な方法を選ぶことができます。そのため、創造性や独自のアプローチを仕事に反映させることが可能です。

メリット3:客先との長期的な関係構築がしやすい

クライアントからの細かい指示や監督が少ないため、自分自身で業務を管理し、意思決定を行うことができます。そのため個人事業主やフリーランスは、ビジネスの全てを自己管控下に置くことができ、自己主導性と独立性を強化することが可能です。

デメリット1:コスト負担のリスクがある

請負契約では業者は成果物を納めることを確約します。そのため予定外の出費が発生した場合でも、業者がその分を負担をしなければなりません。見積もりがうまく出なかったり、想定外の事態が発生した場合、大きな経済的損失を受ける可能性があります。

デメリット2:責任が大きい

また業者は納期を厳守し、高い品質で成果物を提供することが求められます。納期を遵守できなかった場合や品質が低かった場合、損害賠償を求められる可能性があるため、責任やプレッシャーが増大し、精神的ストレスを感じる場合もあります。

デメリット3:権利の問題で不利益を被る可能性がある

請負契約によって成果物を依頼主に引き渡す場合、その成果物の権利についても注意が必要です。契約内容によりますが、成果物の著作権を依頼主に譲渡しなければならない場合、業者側から見て利益にならない可能性もあります。

業務委託契約のメリット・デメリット

一方で業務委託契約のメリット・デメリットには何があげられるのでしょうか。

メリット1:詳細な指示やガイダンスを利用できる

業務委託契約では、クライアントからより詳細な指示やガイダンスを受けることが一般的です。そのため、特定の業務の実行方法に関して明確な方向性を得ることができ、作業の効率化や品質の向上につながります。

メリット2:安定した収入源を確保できる

業務委託契約を結んだ場合、基本的には一定期間ごとに契約が更新されます。その結果、継続的に案件を受注できるため、個人事業主やフリーランスは安定した収入源を得ることができ、また自身のビジネスを拡大するチャンスも得られます。

メリット3:スキルアップと経験の蓄積

定期的な業務や継続的なプロジェクトを通じて、個人事業主やフリーランスは特定の分野で深い専門知識や経験を蓄積することができます。そのため、自身の専門性を高め、市場価値を向上することが可能になります。

デメリット1:指示による作業の制限

業務委託契約は、依頼者の詳細な指示に基づいて業務を進行することが原則です。そのため、自分自身の創造性やアイディアを十分に発揮できない場合があります。また依頼者の無理な要求に対応しきれないことから、ストレスを感じることもあるでしょう。

デメリット2:収入面での依存度の高さ

業務委託契約を結ぶことで、クライアントに対する依存度が高まる可能性があります。特定のクライアントからの収入が多くなると、そのクライアントが業務を止めた場合や契約が解消された場合に、大幅な収入減を招くリスクが存在します。

デメリット3:業務の柔軟性の欠如

個人事業主として活動する大きなメリットの一つに業務の柔軟性がありますが、業務委託契約を結ぶと、その柔軟性を失う場合があります。業務内容や締め切り、働く時間など、依頼者から具体的な要求がある場合、自由な働き方が制限されてしまいます。

契約時の注意点

適切な契約を結ぶためには、以下の点に注意をしましょう。

業務範囲と責任の所在の確認

まず一番はじめに確認すべきは契約内容の詳細です。業務の範囲と責任の範囲が明確でなければなりません。業務の範囲が曖昧だった場合、追加料金を請求できない可能性があります。また責任の範囲が確定していないと、何か問題が起きた時に対処が難しくなります。

リスク管理の確認

契約する業務には、常にリスクが伴うものです。問題が発生した際のリスクを事前に予測し、どのように対処するかを決めておくことが重要です。また、リスク対応に伴うコストも考慮に入れておく必要があります。リスク管理を適切に行うことで、想定外の損害を防ぐことができます。

契約期間のチェック

契約の期間についても注意が必要です。長期にわたる契約の場合、その間に市場状況や自社の状況が変わる可能性もあります。契約期間とその間の業務内容を確認することで、将来的な不確定要素を予め考慮に入れることができます。

トラブル時の対応策

最後にトラブルが発生した時の対応策を検討することも重要です。契約に違反した場合のペナルティや、契約解除の条件などを明確にしましょう。これにより、問題が起きたときに迅速かつ適切に対応することができます。

契約形態の理解が独立成功のための一歩

請負契約と業務委託契約、それぞれにメリットやデメリットがあるなかで、それぞれの特性を理解し、自らのビジネスやプロジェクトに最も適した選択を行うことが、よりスムーズで効果的なビジネス運営につながります。個人事業主として今まさにどんな働き方をすべきか迷っている方は、契約形態についてきちんと理解したうえで、案件を受注するようにしましょう。

また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。

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