ChatGPTの普及でITエンジニアの仕事はどうなる?影響や活用方法を解説

最近何かと話題の「ChatGPT」。特に2023年3月にリリースされたGPT-4は以前のバージョンよりも格段に自然言語処理能力が高まり、プログラミングのコード生成もより正確に行えるようになりました。

そのため

エンジニアはもうすぐ要らなくなるのでは?

人間の仕事が機械に奪われるのでは?

といった意見も出てきていますが、実際のところITエンジニアにどのような影響が出ているのでしょうか?

また、ChatGPTを仕事で使うとしたらどのような活用方法があるのでしょうか?本記事で、ChatGPTの概要やITエンジニアに与える影響、ChatGPTの活用術などをご紹介していきます。

目次

ChatGPTとはどんなもの?

ChatGPTとは…

ChatGPTとは、アメリカのOpenAI社がリリースしたAIチャットボットサービスです。大量のテキストデータを学習しており、質問や要望を文章入力すると的確な回答を返してくれます。このようなAIチャットサービスは今までにも存在していましたが、ChatGPTは回答の精度の高さや、言語処理できる分野・領域の幅広さ、また人間と会話しているような自然なやりとりができる点が話題となりました。

OpenAI社は2015年に立ち上がった研究機関で、当初は非営利団体として「人類全体に利益をもたらすAIの研究開発」をミッションとしていました。その後、巨大な演算能力を入手するために2019年に営利部門を新設。ChatGPTが2022年に公開されると、わずか3ヶ月で推定1億2300万のアクティブユーザーに到達し「史上最速ペースで成長している一般消費者向けアプリケーション」に認定されました。

さらに2023年3月には、最新バージョンの言語モデルであるGPT-4がリリースされました。こちらは有料版の「ChatGPT Plus」に登録すると利用できるようになります。従来のバージョンであるGPT-3.5と比べると、回答の正確性、質問者からのフィードバックを踏まえた回答の正確性、回答の倫理的安全性などが飛躍的に向上しています。また「Webデザインを手書きした画像を読み込ませるとHTMLコードに変換してくれる」など、テキストだけでなく画像の入力も可能となりました。

ChatGPTの仕組み

ChatGPTの背景にあるのは、自然言語処理(Natural Language Processing:通称NLP)という技術です。NLPとは、人々が使っている言語をコンピュータに学習させ、生成させるための技術領域のことを指します。NLPの目的は、機械が人が使う言葉を理解して適切に反応すること。そのためには文法や言葉の意味、文脈、語彙のニュアンスなど、かなり複雑な要素を精査する必要があります。そのため、これまでもさまざまなAI文章生成ツールやチャットボットがリリースされていましたが「回答がチグハグ」「限られた質問にしか答えてもらえない」といった課題がありました。

そこへ出てきたのが、GPT-4を搭載したChatGPT。OpenAIによって開発された大規模な自然言語生成モデルで、インターネット上の大量なテキストデータから自然言語を理解・生成します。この言語モデルは、言語の文脈を理解する能力に長けている「Transformer」というアーキテクチャをベースにしているため、まるで人間のような自然な回答を返すことができるのです。

ChatGPTがITエンジニアの仕事に与える影響

直接的な影響

・コードの生成やテストが自動化される

ChatGPTを使うと、システムの概要や要望を日本語で伝えるだけで適切なコードが自動生成されます。さらに、コードエラーがあった場合は原因特定や修正コードの提案も行ってくれます。その他、簡単なプログラムであればテストの自動化も可能になりつつあります。とはいえ現在は精度や信頼度に問題がある場合も多いため、人間によるダブルチェックは欠かせません。

・バグ発見・修正がラクになる

ChatGPTは書かれたコードについて解説できるほど高性能なため、コメント追加やリファクタリングも行うことができます。さらには、コードの中からバグを発見することも可能。簡単なバグであればすぐ修正してもらえます。

・ドキュメンテーションの生成・翻訳が自動化される

エンジニアが行う仕事の中で、特に煩雑だと言われているのがドキュメント業務。設計書や計画書、提案書などの作成はシステム開発に不可欠で、ミスができないという大変さもあります。そんなドキュメンテーションも、ChatGPTを使えば自動生成が可能。また生成だけでなく、読み解く際の翻訳も自動で行ってくれます。

間接的な影響

・コミュニケーション改善

ChatGPTを使うと、チーム内のコミュニケーション改善にも繋がります。たとえばチーム内に日本語や英語が苦手な人がいた場合、メールやチャットの際にChatGPTを活用すれば即座に言語の壁を取り払うことができるでしょう。またChatGPTで言葉遣いや表現を修正してもらうことも可能なため、メールやチャットで起こりがちなコミュニケーション齟齬を防ぐこともできます。

・新しいビジネスモデルが生まれる

ChatGPTの普及によって、「プロンプトエンジニア」という新しい職業が生まれました。プロンプトエンジニアとは、生成AIに最も望ましい出力をさせることをミッションとするエンジニアのこと。そのために最適な入力(プロンプト)を設計し、文章作成を行います。今はまだ数少ないですが、プロンプトエンジニア人口が増えればさらにITエンジニアの業務効率化は進んでいくでしょう。

ChatGPTの活用ノウハウ

既存ツールと統合する

2023年3月に「ChatGPT API」がリリースされ、ChatGPTはさまざまなアプリケーションと連携することが可能になりました。

たとえばSlackとChatGPTを連携したSlackアプリ「Assort」を使うと、ミーティングの議事録作成・要約や、アイデアの壁打ち、多言語翻訳など、便利な機能をSlackのワークスペースの中で行うことができます。

プログラミングやトラブルシューティング時の活用

ChatGPTはJavaやC言語、Python、JavaScriptなど幅広い言語でのプログラム出力に対応可能です。処理の流れや使用する言語などをChatGPTに入力すると、適切なコードが出力されます。また、出力したコードのエラー箇所を特定・修正することも可能ですので、合わせて活用してみてください。

ChatGPTにコードを出力させる際のコツは、主に2つ。

まずは「数列を大きい順に並べるプログラムを作成したい」など、明確に指示を出すこと。
2つ目は要望や質問を簡潔に伝えることです。

どのように指示すると要望どおりのコードが出力されるのか、ぜひ試行錯誤を重ねてみてください。

これからのITエンジニアに必要なこと

ChatGPTの将来性

ChatGPTは、今後さらに存在感を増していくだろうと言われています。たとえば、かなり長い文章でも文脈を理解して要約できるようになったり、暗黙知や直感的な感覚を的確に捉えて表現したり、リアルタイムな情報へアクセスして最新の回答を出したり…など。これまで人間が行っていた雑務は次々とChatGPTに集約され、ChatGPTを活用している人としていない人の間に大きな格差が生まれていく可能性が大きいです。

ITエンジニアが行うべきこと

今後ChatGPTの需要がさらに高まっていく中で、エンジニアが身につけていくべきは「ChatGPTを使うスキル」です。ChatGPTはまるで人間が考えたようなソースコードを生成したり、エラーやバグを発見してくれたりする優れものですが、それを行うには人間による正しい指示が必要。また現時点では、プログラミングの正確さに欠ける部分があるのも事実です。その間違いに気づき、正しく軌道修正するのが今後のエンジニアの役目とも言えるでしょう。

今後求められるのは、ChatGPTをうまく活用するITエンジニア

本記事ではChatGPTの概要やITエンジニアに与える影響、ChatGPTの活用術などについてご紹介いたしました。ソースコードの生成やテストなどはすでにChatGPTで行えるようになってきているため、

これからエンジニアは必要なくなるのではないか?

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それは大きな間違い。

課題解決の方法をゼロから考えたり、プロジェクトの目的に沿ったシステムになっているかを判断したりするのは人間にしかできない仕事です。ChatGPTを活用すると、このような思考力を必要とする仕事に多くの時間や労力を割けるようになります。これからのIT市場に必要なのは「ChatGPTとうまく共存できるエンジニア」なのです。

また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。

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