年々IT人材不足が深刻化する日本。スキルがある方なら性別や国籍問わず活躍できるフィールドが広がっているため、
日本でフリーランスエンジニアとして活躍したい
と考える外国籍の方も多いことでしょう。そこで本記事では日本で働くにあたって必要な資格や仕事を探す方法について解説します。これから日本で活躍したい外国籍の方はぜひ参考にしてください。
日本における外国籍フリーランスエンジニアの需要
昨今のエンジニア不足を解決する糸口として注目されているのが、国内で増加を続ける外国籍フリーランスエンジニアの活用です。ここで、日本で外国籍のフリーランスエンジニアの需要がなぜ高まっているのか、詳しい背景をみてみましょう。
需要の拡大や技術の変革に追いつけていない
インターネットの普及、働き方改革の推進、AIやIoTの発展など、さまざまな要素が相まって現在IT市場は急速に成長を遂げています。しかし一方で、日本はエンジニアにとって欠かせないプログラミング教育が諸外国に比べ遅れていることもあり、高い需要に対して人材の育成が進んでいないことが国内エンジニアの不足を深刻化させています。
少子高齢化に伴う国内エンジニアの不足
日本は年々少子高齢化が進行し、全体の労働人口も減少の一途を辿っています。そのため多くの業界において人材確保は困難な状況ですが、特にIT業界では上述したように市場が急速に成長していることもあり、エンジニア不足は大きな課題となっています。
長時間労働の常態化によるIT離れ
日本のIT業界では多重下請け構造になりがち。下請けに行くほど労働環境は厳しくなり、報酬も低くなります。実際、「IT土建」という表現があるほどで、長時間労働や週末勤務が常態化しているプロジェクトも珍しくありません。過酷な労働環境を経験した人の中には、IT業界から離れてしまう人もいるようです。
日本国内における将来性の高いITエンジニアの種類
外国籍のフリーランスエンジニアの活用は多くのメリットを企業にもたらすため、今後も活用が進むことが予想されます。そこで、外国籍のフリーランスエンジニアはどんなITスキルや知識を身につけておけば、より企業から求められるエンジニアになれるでしょうか。
PythonやJavaを使い、インターネットを通じてモノ同士が通信できるITシステムを構築する技術者を指します。IoTの普及により、あらゆるモノに新たな価値が生まれ、生活がより豊かになる未来が期待されている。そんな将来性の高い分野のひとつです。
インターネット上のクラウドでデータを保存・管理するシステムを設計、構築、運用する技術者を指します。企業がデータを安全かつ効率的に利用できるようなシステムを作るために欠かせない存在です。
プログラミング言語を使って人工知能(AI)の設計、開発、運用を担当する技術者を指します。音声認識機能のあるスマートフォンや自動運転の技術を持つ自動車、大量のビッグデータを利用したマーケティング、医療分野への応用など、すでに多くの領域で利用されている技術で、今後の発展も期待されています。
コンピュータやネットワークのセキュリティを守る技術者を指します。ウイルス対策、不正アクセス防止、データ漏洩防止などシステムの脅威を識別し、対策を講じるためのソフトウェアやプロセスの設計を任されています。
外国籍のフリーランスエンジニアに必要な就労ビザ
外国籍のフリーランスエンジニアが日本で働くにあたり、「就労ビザ」の取得が必ず必要です。「就労ビザ」は就業内容や会社の規模によっても取得できる種類が異なります。では、実際に外国籍のエンジニアが日本で働くためにはどんなビザが必要になるのでしょうか。
- 技術・人文知識・国際業務
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特定の専門知識や技術をもつ外国人労働者に発行される、最もポピュラーなビザのことです。主に理系や文系の分野で高い専門性が求められる業務や、外国人ならではのセンスや思考力が要求される業務が対象となります。
- 高度専門職
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より専門知識や技術をもつ外国人を対象にしたビザで、エンジニア向けには「高度専門職1号(ロ)」が適用となります。取得にあたり、高学歴や職歴、年収、研究成果などを高度人材ポイント制度に基づいて点数化して評価。有名大学出身、JLPT N1保持、年収400万円以上なども高度専門職の対象となる可能性が高いです。
- 身分・地位に基づく在留資格
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永住者、定住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者が取得できる在留資格を指します。身分系在留資格をもつ外国人労働者は、原則としてどのような職種にも就くことが可能です。
「技術・人文知識・国際業務」取得の条件
上述した就労ビザには取得にあたり、いくつかの条件があります。ここでは外国籍のフリーランスエンジニアにとって最も一般的となる就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」の取得条件について紹介します。
外国の大学を卒業した場合でも、その学位が「日本の大学の卒業と同じレベル」であることを示す証明が必要です。外国の専門学校を卒業しただけの場合、必要な学歴の条件を満たしていないとされるケースもあるため、注意しなければなりません。学歴が足りない場合でも、10年以上の実務経験があればビザを得ることができます。
直近の決算書類や事業計画書から、受入れ先となる企業が外国籍のフリーランスエンジニアを安定的・継続的に雇える財務基盤があるかを審査します。また、その企業で専門的な業務を扱う必要があるのか、契約しようとしているフリーランスエンジニアがきちんと業務に見合ったスキルを保有しているかなども欠かせない条件となります。
過去の犯罪記録や違法行為の有無も審査の対象です。重大な犯罪歴がある場合や、過去に日本の移民法に違反した記録がある場合は、ビザの申請が拒否される可能性もあります。素行の良好さもビザ取得の成功に向けて重要なため、将来的に日本で働きたいと考える外国籍のエンジニアは日頃の行動にも注意することが必要です。
外国籍のフリーランスエンジニアが仕事を探す方法
就労ビザを取得できたあとは、実際に働くプロジェクト探しが必要です。では、外国籍のフリーランスエンジニアが日本で仕事を探すにはどんな方法があるのでしょうか。
求人サイトを利用する
・レバテック
・Indeed
・LinkedIn
・Daijob
・e案件.net
・フリーランススタート
などの外国籍OKのフリーランス向け求人サイトを活用しましょう。
求人サイトを積極的に利用することで、自分の専門分野や興味のある分野の仕事を効率的に探すことができ、条件に合った求人情報をメールで受け取ることができます。
フリーランスのマーケットプレイスを活用する
UpworkやFreelancerなどのプラットフォームも、フリーランスの仕事を探すのに非常に便利です。プラットフォームを活用することで、自分のスキルと経験に合ったプロジェクトを探し、直接クライアントと連絡を取ることができます。
イベント、ミートアップ、セミナーに参加する
業界のプロフェッショナルや、他のフリーランスエンジニアとのつながりを築くことができます。関係性を築くことで、新しいプロジェクトの情報や仕事の紹介を受けるチャンスが広がるでしょう。
国を超えて必要とされるエンジニアになろう
エンジニア不足が深刻化する日本では、今後も外国籍のフリーランスエンジニアの活用は増えていくことでしょう。自身のスキルや技術を武器に異国でも活躍できるエンジニアになるためにも、必要な資格や求められている技術をしっかりと把握しておくことが大切です。本記事で紹介した内容を参考に、フリーランスエンジニアとして日本で成功をつかんでください。