フリーランスエンジニアはブラック?個人事業主の実態とリスク回避対策

実力次第で柔軟な働き方と高収入を得られることから昨今、フリーランスエンジニアになる方が増えています。しかし、会社から守られていないがゆえに、ブラックな働き方になってしまう人もいるようです。具体的にどのようにブラックなのか、本記事ではフリーランスエンジニアが直面しうる過酷な状況と、その対処法について解説します。

目次

フリーランスエンジニアのブラックな現実

実力さえあればストレスフリーに思えるフリーランスエンジニア。しかし、会社から守られていないため、さまざまなリスクがつきまといます。具体的に見ていきましょう。

支払い遅延と未払いのリスク

顧客やプロジェクトによっては、約束された期日を過ぎても報酬の支払いが遅れたり、一方的に減額されてしまうケースもあります。主な要因は成果物に求められるクオリティが曖昧なことによって起こる受取拒否や、顧客側の財務状況の悪化など。そうした事態を避けるため、信頼できる取引先かどうか必ずチェックを行い、契約内容をすみずみまで確認しなければなりません。

過重労働

フリーランスエンジニアは基本的にすべてが自己管理となります。会社員ならば専門の部門が対応してくれる契約書類の作成や新規案件の獲得なども自分で行わなければなりません。そうしたエンジニア業務以外にしなくてはならない作業も多く、指摘してくれる存在もいないことから長時間労働になりやすい傾向があります。

孤立感

会社員エンジニアと異なり、同僚やチームとの直接的なコミュニケーションが少なく、一人での作業が多くなるため孤立感を感じやすくなることもリスクのひとつです。そのような孤立感を感じることが続くと、ストレスや焦り、モチベーションの低下など自身への悪影響とつながってしまうためです。また、問題や困難が発生した際に他者によるアドバイスやサポートが得られないことも、孤立感を深める要因となります。

契約問題

フリーランスエンジニアは自身で顧客と契約を交わし、管理しなければなりません。そのため、契約に関する知識やスキルがないと不利な条件や期待通りの報酬が得られないリスクが伴うことがあります。

例えば、

・プロジェクトの範囲や期限、報酬の詳細などが不明確に記述されていた
・諸条件が変更された際の対応が規定されていない

など。

そうした問題は仕事の進行にも大きな影響を与えかねません。

自己学習のプレッシャー

案件を獲得するための競争力を保つためには、最新のスキルや知識を維持しつつ、絶えず自己学習を続ける必要があります。しかし学習時間の確保するためには、業務の時間を削るか、休息時間を削るかになるため、そのような無理な時間の確保がエンジニアの健康やモチベーションに悪影響を与えることも。また常に勉強をしなければならないという焦燥感やプレッシャーから、自己肯定感の低下やストレス、過労などを引き起こす可能性も高まります。

社会保険の手配

フリーランスエンジニアは、社会保険や医療費、老後の生活費、障害保険などの各種保険料をすべて自己負担で支払う必要があります。会社員エンジニアとは異なり、病気やケガ、予期せぬトラブルに巻き込まれた時にも経済的な支援を得ることもできません。また、このような保険料の支払いに追われることで、収入と生活費のバランスの維持も難しいものになります。

顧客とのコミュニケーション

顧客とのコミュニケーションは当然エンジニアが直接とることになりますが、その際に顧客のニーズを的確に理解し、対応する力が求められます。顧客とのコミュニケーションがうまくいかないと、納期遅延や品質低下などの発生リスクだけではなく、顧客とのやりとり自体がストレスになります。

競争の激化

IT業界では技術の進歩が目まぐるしく、顧客から選ばれ続けるために最新のスキルと知識を常に身につける必要があります。

より質の高いサービスを提供しなければならない

他のエンジニアとの競争に勝たなくてはならない

というプレッシャーも大きなストレスになりやすいです。

ブラックな問題に直面したフリーエンジニアの事例

本当に上述したブラックな問題はエンジニアの身に起こるのでしょうか。ここではいくつかの事例を紹介します。

事例1:納品後3ヶ月間、未払いのまま

フリーランスエンジニアのAさんは、新規顧客との大規模プロジェクトで納期を守り、顧客の期待以上の品質でミッションを遂行しました。しかし、期日までに約束していた報酬が振り込まれることはありませんでした。何度も顧客に連絡を試みたものの連絡は無視され、結果として3ヶ月以上も待つことに。その間、彼は生計を立てるために貯蓄を切り崩し、新たなプロジェクトに取り組む余裕すらなくなってしまい、その後の生活に大きな打撃となりました。

事例2:自分を追い詰めた過重労働

フリーランスエンジニアのBさんは、多数のプロジェクトを同時に抱えていました。自分の仕事にプライドを持ち、完璧主義者である彼女は、すべての顧客からの要求に応えようと休む時間もなく仕事を続けていました。しかしそうした過重労働の状態が続いたことで、心身の健康が悪化。無理がたたり、ついには仕事が手につかないほどの体調不良に陥ってしまったことで、数ヶ月間の休養を余儀なくされました。

ブラックな問題に対応するための事前対策

フリーランスエンジニアとして働く誰もが、上述したような問題に遭遇する可能性があります。では、どのようにリスクを回避すればいいのでしょうか。

支払い条件の明確化と予備資金の確保する

顧客と合意した明確な支払い条件を契約書に盛り込みましょう。場合によっては、前払いやマイルストーンごとの支払いを検討することも対策のひとつとなります。予期せぬ支払い遅延に備えて日頃から貯金もしておきましょう。

効率的なプロジェクト管理を意識する

負担が過剰にならないよう注意をしながら、プロジェクトの範囲や納期を合理的な内容で設定します。同時に必要なタスクの優先順位を明確にし、効率的に管理しましょう。負荷の少ないスケジュールで、タスクを効率的に管理することで、適度な休息やリラックスの時間を十分に取ることが可能になります。

積極的にコミュニティ活動へ参加する

フリーランスのコミュニティや専門家グループへの参加を通じて、他のフリーランスとのつながりを築いておきましょう。そうすることで、オンラインプラットフォームやフォーラムでいざという時に情報交換や相談ができるようになります。また、イベントやカンファレンスに参加して新しい人と交流する機会を定期的につくっておくことも、孤立感を感じなくなる良い対策となります。

契約に関する専門家に相談する

顧客と互いに合意のうえでプロジェクトを進められるよう、契約に関する専門家の助言を受けることも対策として有効的です。専門家の助言をもとに、契約書を詳細にチェック。曖昧な点やリスクについては事前に把握し、そのつど顧客に相談や確認をするようにしましょう。

効果的なスキル学習計画を立てる

無理のない範囲で効果的にスキルアップに向けた学習を行うには、身につけたいスキルの優先順位を決めて取り組むことが大切です。また、学習するスキルを絞り込んだ後に、主な学習計画を作成しておき、仕事と勉強の時間をきっちり区切れる環境を整えると良いでしょう。また、学習の仕方においてはオンラインコースやチュートリアルを活用し、効果的な学習方法を見つけることも良い対策になります。

保険と税金の専門家へ相談する

自分で社会保険や税金について勉強をすることも大切ですが、計算を間違えてしまうリスクもありますし、何より本業に専念できなくなってしまいます。できれば保険や税金に関するタスクはプロの税理士などに任せるといいでしょう。

「報・連・相」を徹底する

顧客との円滑なコミュニケーションのためには、定期的な進捗報告や会議を通じて、要件や目標に対する共通認識をもつようにしましょう。また、顧客からのフィードバックを受け入れ、改善点に迅速に対応する姿勢を普段から見せることで、顧客からの信頼が増し、より深い関係性を築けるようになります。

自己ブランディングで差別化を図る

フリーランスエンジニアが他のエンジニアと差別化を図るためには、他のエンジニアと比較した時に優れた価値を提供できるか否かで、自身の認知度を高めることができます。具体的には、専門分野に特化したスキルの装着や、ブログ・SNSによる自己アピール、オープンソースプロジェクトへの参加など、複数の方法を組み合わせることで自己ブランディングを強化すると良いでしょう。

十分な対策でライフワークバランスを大切にできるエンジニアへ

フリーランスエンジニアが心身共に健康な状態で、長期的に活躍するためには、どんな問題が起こるのかを事前に把握し、十分な対策を講じておくことが大切です。現在会社員エンジニアで働き方や収入に悩みを抱えている方は、フリーランスエンジニアの良い面しか見ていない方もいるでしょう。ですが、フリーランスエンジニアにも心身に影響を与えるようなブラックな問題が数多くあるということを理解しておかなければなりません。本維持で紹介したような十分な対策を用意しておくことで、仕事もプライベートも両立できるエンジニアとして活躍できるはずです。

また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。

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