Blenderってよく聞くけど、どんなことができるソフトなの？
そんな疑問を持っていませんか。
Blenderは、無料で利用できる高機能な3DCG（3次元コンピューターグラフィックス）ソフトウェアです。副業で映像制作などに挑戦したい方や、キャリアチェンジを考える人からも注目を集めています。
本記事では、Blenderの特徴や基本的な使い方、活用例を初心者向けにわかりやすく解説します。2025年最新版の情報を交え、Blenderがあなたのクリエイティブな第一歩を後押ししてくれる理由を見ていきましょう。初心者でも「自分にもできそう」と思えるポイントがきっと見つかるはずです。
Blenderとは？
Blender（ブレンダー）は、無料で使えるオープンソースの3DCGソフトウェア。3DCG（3次元コンピューターグラフィックス）とは、コンピューター上で立体的なモデルやアニメーション映像を作成する技術のことで、ゲームや映画のCG、建築設計のビジュアライゼーションなど様々な場面で使われています。
個人の趣味からプロの制作現場まで幅広く利用されていて、世界中のユーザーに親しまれています。近年は日本でも人気が高く、現在では3DCGソフトの定番の一つとも言える存在です。初版は1995年に公開され、以降世界中のユーザーコミュニティによって日々改良が重ねられてきました。その結果、無料ソフトでありながら商用作品に匹敵するクオリティの制作も可能となっています。
Blenderの主な機能
Blenderには多彩な機能が備わっていて、3DCG制作に必要な作業をほぼ一つのソフト上で完結できます。ではどのような機能があるのか、主な機能を見ていきましょう。
| 機能 | 概要 |
| 3Dモデリング | オブジェクトの形状を自由に作成・編集する |
| アニメーション | キャラクターや物体に動きをつけ、動く映像を制作する |
| レンダリング | シーンを高品質な画像・映像として描き出す（書き出す） |
| 動画編集 | 作成した映像のカット編集やエフェクト追加など簡易的な編集が可能 |
| スカルプト | 粘土をこねるように直感的にモデルを造形する |
| VFX・合成 | エフェクト（爆発や炎など）を加えたり、実写動画とCGを合成したりする |
これらの機能を組み合わせることで、モデリングからアニメーション制作、映像出力までBlenderだけで行うことができます。通常、3DCG制作では用途ごとに異なる専門ソフトを使い分けることも多いですが、Blenderなら一つのソフト内で完結するため、作業効率が良いだけでなくコスト面でも優れています。
Blenderのメリット
Blenderが多くの人に支持される理由として、ソフト自体の機能だけでなく使い勝手の面での数々のメリットが挙げられます。主な利点は次のとおりです。
| 特徴 | 説明 |
| 完全無料 | ソフト本体もアップデートも全て無料。ライセンス料が一切かからず、商用利用も可能 |
| オープンソース | ソースコードが公開されており、世界中のユーザーが開発に参加。ユーザーニーズに合わせた改良が日々進められている |
| アップデートが頻繁 | 数ヶ月おきに新バージョンがリリースされ、最新技術を取り入れた機能がどんどん追加される |
| マルチプラットフォーム | Windows・macOS・Linuxなど主要OSで動作し、幅広い環境で利用できる |
| 日本語対応 | インターフェースを日本語表示に切り替え可能。英語が苦手でも安心して操作できる |
| コミュニティが充実 | 利用者が世界中に多く、質問フォーラムやチュートリアル動画など学習リソースも豊富に存在する |
これらのメリットのおかげで、金銭的な負担や言語の壁を気にすることなく、誰でも気軽に最新の3DCG制作に取り組めます。例えば、かつては数十万円する商用ソフトが必要だった高品質なレンダリングやモデリングも、Blenderなら無料で実現できるため、学生や個人クリエイターにとっても強い味方です。
Blenderでできること
実際、Blenderでどのようなクリエイティブな制作ができるのでしょうか。代表的な活用例を挙げてみます。
Blenderでキャラクターや背景を制作し、動きをつけてアニメーション作品を作ることができます。作成した3DCGアニメーションは、短編映画やYouTube動画として発表することも可能です。近年では、バーチャルYouTuberの3DキャラクターモデルをBlenderで制作する例も見られます。
さらに、Blenderには手描き風の2Dアニメーションを作成できるGrease Pencil（グリースペンシル）機能も搭載されており、3D表現だけでなく2Dアニメのような映像制作にも挑戦できます。無料ソフトとはいえ、工夫次第でプロ顔負けの映像作品を作り出すことができるのが魅力です。
Blenderはゲーム開発にも活用されています。例えば、Blenderでキャラクターやアイテム、背景オブジェクトの3Dモデルを作成し、それをUnityやUnreal Engineなどのゲームエンジンに読み込んで使用できます。個人のインディーゲーム開発者にもBlender愛用者は多く、自作ゲームのためのオリジナル3D素材をゼロから作り上げることができます。
さらに、VRチャットなどメタバース向けの3Dアバターやアイテム制作にBlenderを活用する例もあり、デジタル空間で使えるオリジナルキャラクターを作ることも可能です。また、作った3Dモデルをゲーム素材マーケットで販売し、副業に繋げるクリエイターもいます。
建築デザインや製品（プロダクト）デザインの分野でもBlenderは役立ちます。住宅やインテリアのモデルをBlenderで起こし、光の当たり方や素材感をリアルにレンダリングしてプレゼンテーションに用いるといった使い方がされています。
建築パースの制作や、製品プロトタイプのビジュアル化など、専門ソフトに頼らずBlenderだけで高品質なビジュアライゼーションを実現できるため、コスト削減や効率化にもつながります。また、Blenderで作成した製品モデルのリアルなレンダリング画像は、カタログや広告用のビジュアルにも活用可能です。
Blenderで制作したオリジナルの3DアートをNFT（非代替性トークン）として出品・販売するクリエイターも増えています。例えば、自分でデザインした3Dキャラクターやオブジェクトの画像・動画をNFTマーケットプレイスで販売し、収益を得ることも可能です。3DCGならではの独創的なアート作品は海外でも評価が高く、Blenderのスキルを活かして新たなデジタルアート市場で活躍する道も開けています。
Blenderの活用範囲は年々広がっており、最近ではプロの制作現場でBlenderが採用されるケースも出てきました。日本の有名アニメスタジオが劇場映画の一部制作にBlenderを導入した例や、海外の映像プロジェクトでBlender製のCGが使われた例も報告されています。
趣味からスタートした個人がBlenderのスキルを高めてフリーランスの仕事に繋げるケースも増えており、Blenderはまさに無限の可能性を秘めたツールと言えるでしょう。
Blenderのインストール方法
Blenderを使う際は、まずソフトをインストールする必要があります。導入はとても簡単です。以下の手順でインストールしてみましょう。
なお、Blenderは公式サイト以外にもSteamなどから入手できますが、安全のため必ず公式提供元からダウンロードするようにしましょう。
以上でBlenderの準備は完了です。
Blenderの基本的な使い方
インストールが完了したら、いよいよBlender上での基本操作を試してみましょう。
初めてBlenderを立ち上げると、中央に立方体（デフォルトのキューブ）、カメラ、ライトが配置された画面が表示されます。画面左側には基本操作用のツールバー、右側にはオブジェクトやシーンの設定を行うプロパティパネルが配置され、上部には各種メニューが並んでいます。
まずは画面の視点操作から練習しましょう。マウスの中ホイールボタンをドラッグして視点を回転、Shiftキーを押しながら中ホイールボタンで視点を平行移動、ホイールの回転で拡大縮小ができます。
画面に慣れたら、オブジェクトの移動・回転・拡大に挑戦します。中央のキューブを左クリックで選択してみましょう（オブジェクトがオレンジ色のアウトラインでハイライトされます）。選択できたら、キーボードのGキーを押してマウスを動かすと、キューブを自由に移動できます。配置したい位置でクリックすれば移動完了です。
Rキーを押せば回転、Sキーで拡大縮小が実行できます。このように、マウス操作とショートカットキーを組み合わせることで効率良く3D空間内のオペレーションが可能です。もし操作を間違えても、Ctrl+Zキーで直前の状態に戻せる「元に戻す（Undo）」機能があるので安心です。
Blenderには他にもさまざまな操作モードがあります。例えば、今行ったようなオブジェクトの移動は「オブジェクトモード」で行いますが、モデルの形状そのものを編集したい場合は「編集モード」に切り替える必要があります（画面左上のメニューやTabキーでモード切替）。
編集モードでは頂点や辺を動かしてモデルの形状を変えることができます。最初は覚えることが多く感じるかもしれませんが、少しずつ基本操作に慣れていきましょう。まずは簡単なオブジェクトの移動や回転から試し、徐々にできることを増やしていくのがおすすめです。
慣れてきたら、新しいオブジェクトを追加してみましょう。Shift + Aキーを押すと「追加」メニューが表示されるので、メニューからメッシュ > UV球（UV Sphere）などを選ぶとシーンに球体オブジェクトが追加されます。こうしてシーン内に好きなオブジェクトを増やし、自由に配置することができます。
初心者におすすめの学習方法
Blenderを効率よく習得するために、初心者のうちは次のような方法がおすすめです。
YouTubeなどの動画サイトで「Blender 初心者向けチュートリアル」を検索してみましょう。画面操作を実際に見ながら学べるので理解が深まりやすいです
公式ドキュメントや解説サイトを活用しましょう。Blender公式のマニュアル（英語）や有志による日本語の解説ブログなどに基本操作が詳しく載っています。
コップやドーナツなどシンプルな形のモデリングから始め、徐々に難易度を上げていくと挫折しにくくなります。
『ゲームのキャラクターを作りたい』『アニメ風の動画を作りたい』など目標を明確にすると学習のモチベーションを維持しやすくなります。
Blenderユーザーが集まるフォーラムやSNSグループで作品を共有したり質問することで、先輩からアドバイスをもらえたり刺激を受けてモチベーションアップにつながります
身近な題材からコツコツ練習し、わからない点はコミュニティで質問するなどしてスキルを積み上げていきましょう。
なお、Blenderは頻繁にアップデートが行われるため、チュートリアル動画で解説されている画面と最新バージョンのBlenderで一部UIが異なる場合があります。基本的な操作の考え方は共通しているので過度に心配する必要はありませんが、もし戸惑ったときは公式のリリースノートやコミュニティで最新情報を確認してみましょう
Blenderでクリエイターへの一歩を踏み出そう
本記事で紹介したように、Blenderは、無料でありながらプロレベルの制作が可能な非常に優れた3DCGソフト。初心者でも気軽に始められるうえ、使い方を身につければ映像制作やゲーム開発など幅広い分野に応用できます。
副業で3DCG制作に挑戦したい方や、新たなキャリアとしてクリエイティブな仕事を目指す方にとっても、Blenderスキルは大きな武器になるでしょう。まずは実際にBlenderをインストールして、基本操作に触れてみてください。
Blenderの最大の魅力は、これだけ多機能でありながら誰でも無料で使える点です。金銭的な負担がないので、興味を持った今が始める絶好のタイミングと言えるでしょう。難しそうに感じるかもしれませんが、コミュニティや教材が豊富に揃っているため、努力次第で必ず習得できます。ゼロからコツコツと練習を重ねれば、きっと「自分にも3D作品が作れた！」という達成感を味わえるはずです。
もちろん、ゼロからプロのクリエイターを目指す道のりは簡単ではありませんが、Blenderにはその挑戦を支えてくれるコミュニティとツールが揃っています。まずは小さな一歩でも踏み出してみましょう。Blenderがあなたのクリエイティブの世界を広げる第一歩となることを願っています。
