Pythonで開発されたWebアプリケーションフレームワークの中で、近年注目を集めている「Django」。オープンソースなため世界中の多くの開発者によって利用されており、Webアプリケーションの開発プロセスを容易にするさまざまな機能を装備しています。本記事ではそんな「Django」について、特長や開発できる範囲、習得するメリット・デメリットについて解説します。これから習得しようか考えている方は、ぜひ参考にしてください。
Djangoとは
高度なWebアプリケーションを素早く作ることができるPythonのフレームワークです。Djangoという名前は、ジャズギタリストの「ジャンゴ・ラインハルト」からとられています。Web開発タスクを簡単に処理するための便利なツールとライブラリが満載で、ドンドン進められる開発スピードが魅力です。
Djangoの特徴について
では、Djangoにはどんな特徴があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
「The web framework for perfectionists with deadlines(スケジュールありきの完璧主義者のためのウェブフレームワーク)」とも称され、初期設定からAPI、認証まで幅広い機能を一体化したフルスタックのフレームワークです。そのため、開発期間の短縮や、開発規模に応じたスケーリングを容易に行うことができます。
Djangoは、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)、クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)などの一般的なWeb攻撃に対するセキュリティ機能を提供しています。セキュリティ機能はデフォルトで有効化されているため、開発者はセキュアなWebアプリケーションを開発することが可能です。
驚異的な拡張性もDjangoの大きな特徴です。中間層(Middleware)を自由に追加したり、既存のコンポーネントを拡張、または置換することが容易にできます。そのため、Djangoは多種多様な開発ニーズに対応する柔軟性と力強さをもっています。
コードの重複を排除し、ソフトウェア開発の生産性と効率を向上させるために、DjangoはDRY原則、つまり「同じことは2度しない」を重視しているフレームワークです。Djangoに組み込まれた機能やツールは、開発者にDRY原則を強制する仕組みになっています。
フルスタックフレームワークであるDjangoは開発スピードを上げるための機能が満載です。豊富なライブラリがあるため、開発者は新しい機能を迅速に追加することができます。また、Djangoは開発スピードを助けるためのテンプレート言語も提供しています。
Djangoで開発できるアプリケーションの種類
汎用性に富んだ特性から、さまざまな種類のアプリケーション開発に適用されているDjangoですが、具体的にどんな種類の開発に使われているのでしょうか。
まずDjangoでよく作られるのがブログシステムです。記事の投稿、表示、編集、削除といった基本的なCRUD操作を行うアプリケーションで、Djangoの提供する管理画面も役立ちます。またユーザー管理やコメント機能の実装も、Djangoのアプリケーションとして提供されているため、手間を省くことができます。
SNSアプリケーションもDjangoによってつくられています。ユーザーのフォロー機能、投稿機能、いいね機能など、複雑な動きをするアプリケーションでも、DjangoのModel、View、Templateの仕組みを活用することで開発をスムーズに進めることが可能です。
EコマースサイトもDjangoで効率的に開発ができます。商品の検索、カートへの追加、購入といった流れの実装や、決済システムの組み込みも可能です。また、セキュリティ要件もしっかりと満たしているため、安心して使用できます。
豊富なライブラリとモジュールが提供されているため、CMS(Content Management System)の開発も効率的に行うことができます。また、自作したアプリケーションをCMSとして再利用することも可能です。
Djangoはデータベース操作を容易にするORM(Object-Relational Mapping)を提供しているため、大量のデータを処理するデータ分析アプリケーションの作成にも適しています。複雑なクエリをPythonのコードで簡単に表現でき、データを視覚的に表示するためのライブラリも豊富に存在します。
Djangoを習得するメリット

Djangoを習得することで得られるメリットはたくさんあります。以下、主な5つのメリットを見ていきましょう。
セキュリティはWebアプリケーションにとって最重要の課題であり、その手間を省いてくれるのがDjangoの強固なセキュリティ機能です。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング等、主要なセキュリティリスクを防いでくれます。
Djangoはとてもスケーラブルで、訪問者の数が増えてもサーバーがダウンすることなく対応ができます。もしサービスが急成長することがあれば、迅速にスケールアップするためのサポートが手厚く、信頼性の高いパフォーマンスを得ることができます。
多機能で充実したツールが、さまざまな問題を解決します。管理画面、認証システム、RSSフィード、サードパーティライブラリなど、あらゆる機能を実装することが可能です。
PythonとDjangoは、それぞれ大規模な開発者コミュニティをもっています。そのため、問題や疑問があった場合には、誰かに助けを求めたり、アドバイスをもらうことが可能です。また、多くのプラグインが公開されているため、プラグインを利用して時間を節約することも可能です。
Djangoを使用する際のデメリット
一方で、Djangoを使う時に注意すべきデメリットもあります。では、どんなデメリットがあるのでしょうか。
はじめて使用する人にとっては、学習曲線が急だと感じる方もいるかもしれませんPython自体の学習が必要な上に、フレームワークの特性やDjango特有の規約を理解するため、習得に時間がかかる可能性があります。
Djangoには、開発者が開始するために必要な多くのツールとライブラリが付属しています。しかし、デフォルトのツールとライブラリは、毎回必ずしも最良の選択とは限らないため、変更や消去が難しい場合があります。
Djangoのもう一つの特性は、モノリシックな構造です。アプリケーションの各部分が密接に連携して動作する傾向があり、結果として一部のコンポーネントを別のものに交換したり、独立させたりするのが難しくなる場合があります。
Djangoを学ぶための主な学習リソース
Djangoを学習するための最適なリソースには、なにがあげられるのでしょうか。
Djangoの全ての機能とその使用方法が詳しく書かれています。初心者には少しハードルが高いかもしれませんが、基本的なPythonの知識があれば十分に理解することが可能です。公式ドキュメントを一通り読むだけで中級者レベルの知識を獲得できるでしょう。
William S. Vincentによる『Django for Beginners』もオススメです。この本は初心者がDjangoを学ぶために最適な教材であり、基本的なWeb開発の知識から始まり、Djangoを使った実際のWebアプリケーション開発までを学ぶことができます。専門的な語句の説明やコードのサンプルも用意されており、親切かつ詳細なガイドラインとなっています。
CodecademyのDjangoコースも効果的です。インタラクティブにDjangoを学ぶことができ、手を動かしながら具体的なスキルを身につけられます。また、CodecademyのDjangoコースでは、コードを書くことの重要性を強調しており、実践的なスキルを養うのに最適な場となっています。
Djangoでスピーディな開発を実現する
Djangoの習得により、セキュリティ面で優れた、かつ高速に動作するWebアプリケーションの開発を行うことが可能です。Djangoはフルスタックの機能を提供しているため、機能についてしっかりと理解し、より有効的に活用しましょう。
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