フリーランスが知っておくべき源泉徴収の基本事項と注意点を解説

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フリーランスにとって源泉徴収の理解は必要不可欠です。会社員であれば勤務先で源泉徴収の計算や控除が行われ年末調整後に給与所得の源泉徴収票が手元に届きます。ところが、フリーランスの場合は確定申告を自身で行う必要があるためクライアントから送付される源泉徴収票の確認が必要になります。源泉徴収される所得の対象は、仕事の内容により異なりますのでフリーランスの方は源泉徴収について十分に理解して置くことが重要になります。しかし、「計算方法がよく分からない」などと感じている方も多いのではないでしょうか?本記事では源泉徴収の仕組みや源泉徴収が必要な報酬、また計算方法で気を付けるポイントを紹介していきますのでぜひ参考にしてください。

目次

源泉徴収の基本理解

まず、源泉徴収とは給与・報酬を支払う側が所得税や復興特別所得税を差し引き国に納税する制度のことです。

確定申告書類の作成に源泉徴収票が必要

2019年に施行された税制改革により2020年以降の確定申告では源泉徴収票の添付が不要になりましたが、書類作成に源泉徴収書は必須になります。確定申告書を作成する際には、源泉徴収票に記載された金額を転記する必要があるからです。源泉徴収票は必ず保管しておきましょう。

源泉徴収の適用となる報酬一覧

フリーランスで活動している方は人により仕事の内容が大きく異なり、源泉徴収の対象となるもの・ならないものがあります。

具体的には以下に該当するものがあれば源泉徴収の対象になります。

・原稿料や講演料、デザイン料など
・弁護士や公認会計士、司法書士などの資格者への報酬
・社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
・プロ野球選手、プロサッカー選手、プロテニス選手、モデルや外交員などに支払う報酬
・映画出演、テレビ放送出演や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬
・コンパニオンやホステス支払われる報酬
・プロ野球選手の契約金など役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
・広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

たとえば、パッケージやWeb、広告、インテリアのデザイン料の仕事には源泉徴収がありますが、Webサイトの制作には源泉徴収がありません。フリーランスは自分の仕事が対象となるのかどうかあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

※参考:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁 

フリーランスが源泉徴収される際に必要な対応は?

報酬を支払った側が源泉徴収を行うものなので、フリーランスが徴収された税金の納付はしません。ただし、源泉徴収されている場合は請求書の作成時、あるいは確定申告時に源泉徴収された金額の記載が必要になってくるので事前にクライアントが源泉徴収しているかどうかの確認をしておきましょう。

フリーランスの源泉徴収額の計算方法

源泉徴収額の計算方法は報酬額が100万円以下か、100万円を超えるかにより計算式が異なります。それぞれの計算式は以下の通りです。

<100万円を超えない場合>
報酬金額掛✖10.21%=源泉徴収額
たとえば、100万円が報酬支払額の場合
100万円✖10.21%=102,100円となります。

<100万円を超える場合>
(報酬金額-100万円)✖20.42%+102,100円=源泉徴収額
たとえば、200万円が報酬支払額の場合
(200万円-100万円)✖20.42%+102,100円=306,300円となります。

源泉徴収は100万円までは報酬の10%、100万円を超える部分については20%の税金がかかります。つまり、100万円を超える場合には「100万円にかかる徴収額」と「100万円を超える部分にかかる徴収額」に分かれるので注意が必要です。

また、2013年1月1日~2037年12月31日までは「復興特別所得税」が100万円までは0.21%、100万円を超える部分については0.42%がアドオンされます。

フリーランスが源泉徴収される際の注意点

フリーランスが正確な確定申告をおこなうために源泉徴収される際の注意点を紹介します。

・クライアント側が源泉徴収をしているかの確認

クライアントが個人事業主だった場合、源泉徴収しないケースもあるためクライアント側で源泉徴収されているか確認が必要です。
源泉徴収されていない場合は自身で源泉徴収額を計算の上、確定申告が必要になりますので注意しましょう。

・クライアント側が源泉徴収をしているかの確認

クライアントが個人事業主だった場合、源泉徴収しないケースもあるためクライアント側で源泉徴収されているか確認が必要です。
源泉徴収されていない場合は自身で源泉徴収額を計算の上、確定申告が必要になりますので注意しましょう。

・クライアント側で源泉徴収された場合

はじめに源泉徴収票の報酬額と源泉徴収額が正しく計算されているかどうかの確認が必要です。
次に確定申告書の「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収額」欄に源泉徴収された合計額を記載する必要がありますが、この記載漏れがあると税金を二重で納付することになるので注意しましょう。
記載漏れがあった場合、申告期限から5年以内は更正の請求ができます。

・クライアント側で源泉徴収されなかった場合

源泉徴収がされていなかった場合は確定申告書の記載は不要になりますが、所得税を納める必要があるので確定申告は必要になります。

・消費税の取扱いについて

消費税は記載方法により源泉徴収の計算方法が変わってきます。
フリーランスの報酬での源泉徴収は消費税も含まれて支払われた金額が対象となりますが、請求書に報酬金額とは別に消費税を明記する場合は消費税のみに源泉徴収がかかります。一方で報酬金額が税込(内税)の場合は報酬金額に消費税を含んだものが源泉徴収になります。

報酬金額に内税とするか外税とするかで源泉徴収が変わってきますので注意が必要です。

源泉徴収の手続きと申告書の記入方法

フリーランスは源泉徴収の計算、納付は自身で行う必要があります。どのような手続きを行うのかと注意点を紹介します。

源泉徴収税の納付方法

「報酬・料金等の所得税徴収高計算書」の用紙を税務署で入手した上で、必要事項記載の上納付をします。具体的な詳細は納付書の記載のしかたを参考にしてみましょう。また、納付期限は報酬の支払があった月の翌月10日までに最寄りの金融機関あるいは所轄の税務署の窓口で納付します。書類を提出する方法以外ではe-Taxを利用してインターネットからの提出も可能です。

なお、納付期限を過ぎてしまうと延滞税や不納付加算税などが課されますので注意しましょう。

・不納付加算税(税額5%割増)
源泉徴収税を納付し忘れたけれども自主的に追納した場合

・不納付加算税(税額10%割増)
源泉徴収税を納付し忘れて税務署に指摘され追納した場合

・重加算税(不納付加算税に加えて税額35%割増)
源泉徴収税を納付せず済むよう偽装や隠ぺいを行い税務署より指摘されて追納した場合

源泉徴収税は還付が受けられる

源泉徴収で多く払い過ぎた税金は確定申告を行うことで過払い税金を還付金で受け取ることができます。

税務署では税金が過払いになっていた場合でも特に案内などはないので自身で確定申告をしなければ過払いのままとなってしまいますので確定申告を必ず行い正しく還付してもらいましょう。

まずフリーランスは源泉徴収が必要な職種であるかどうかの確認が必要になり、源泉徴収自体はクライアント側で基本的には行うものですが適正に計算や処理がされているかどうか自身で確認と管理する必要がありますので本記事で紹介しました内容を参考にしてしっかりと把握して正し知識で日々の取引に活用してみてください。

また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。

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