フリーランスでも再就職手当をもらえる?条件や申請方法を解説

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近年、働き方の多様化に伴いフリーランスとして活動する方が増えています。しかし、フリーランスへの転身を考える際に気になるのが、雇用保険に関連する再就職手当について。この記事では、フリーランスと再就職手当の概要、受給条件、申請方法などについて詳しく解説していきます。フリーランスへの転身を考えていて再就職手当を受給したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

再就職手当とは

雇用保険の「就業促進手当」の1つで、一定の条件を満たした場合に支給されます。具体的には、ハローワークで失業認定を受けた雇用保険の受給資格のある人が、早期に再就職した場合に受け取れる手当になります。再就職手当は何らかの理由で仕事を失ってしまった人に、早期再就職を促すことを目的に設けられた制度です。そのため、再就職の期間が短ければ短いほど、手当の額が大きくなります。ただ、給付を受けるためにはいくつか条件がありますので、注意が必要です。

条件を満たせば、フリーランスでも再就職手当は受給できる

再就職手当は、失業給付を受給している方が早期に再就職した場合に支給される給付金です。一般的に会社員が転職する際の制度として知られていますが、実はフリーランスとして独立する場合でも、一定の条件を満たせば受給できる可能性があります。

多くの方が「フリーランスは対象外なのでは?」と考えがちですが、これは誤解です。再就職手当の受給資格は、その後の働き方ではなく、それまでの雇用保険の加入状況や求職活動の実績などによって判断されます。勤めていた会社を退職し、フリーランスとして開業するまでの期間は失業している扱いになるので、独立した後は「再就職」という扱いになるのです。

再就職手当を受給するための条件

ただし、再就職手当を受給するためには、以下のすべての条件を満たす必要があります。受給条件について詳しく見ていきましょう。

1. 受給手続き後、7日間の待期期間満了後に就職または事業を開始すること。
2. 就職日の前日までに失業の認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること。
3. 離職した前の事業主に再び就職したものでないこと。また、離職した前の事業主と資本・資金・人事・取引面で密接な関わりのない事業主に就職すること。
4. 求職申込みをしてから、待期期間満了後1か月以内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること。
5. 1年を超えて勤務することが確実であること。※ただし、生命保険会社の外務員や損害保険会社の代理店研修生など、一定の目標達成が条件付けられている場合や、派遣就業で雇用期間が定められ更新が見込まれない場合は除外。
6. 原則として、雇用保険の被保険者になっていること。
7. 過去3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと。(事業開始に係る再就職手当も含む)
8. 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。

再就職手当の支給額

再就職手当の支給額は、就職などをする前日までの失業の認定を受けた後の基本手当の支給残日数により給付率が異なります。

具体的には、支給日数を所定給付日数の

3分の2以上を残して再就職した場合:基本手当の支給残日数の70%

3分の1以上を残して再就職した場合:基本手当の支給残日数の60%

となり、早く再就職するとより給付率が高くなる仕組みです。

なお、再就職手当を受給した方が再就職先に6か月以上雇用され、再就職先での6か月間の賃金が離職前の賃金よりも低い場合には、「就業促進定着手当」も受けられる可能性があります。

※参考:再就職手当のご案内 | 厚生労働省

再就職手当を申請する流れ

では、会社を退職してフリーランスなる場合、どのような流れで再就職手当を申請すればいいのでしょうか。受給までの手順について見ていきましょう。

ハローワークで求職手続きを行う

まず、会社から発行された離職届、マイナンバーカード、身分証明書、証明写真、本人名義の預金通帳やキャッシュカードを持ってハローワークで求職手続きを行います。

1週間、待機する

手続き後、7日間は失業給付の待機期間になりますので、この間はハローワークが失業認定するための事務処理を行いますので、一旦待機になります。ただ、フリーランスになる場合は、この期間に開業準備を進めるといいでしょう。

雇用保険受給説明会に参加する

待機期間が終了したらハローワークの雇用保険受給説明会に参加し、失業手当に関する雇用保険制度や失業手当や再就職手当をもらうために必要な手続きに関する説明を受けます。また、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書も忘れずに受け取りましょう。

1ヶ月間、就活をする

自らの意志で「フリーランスになる」と決意して勤めていた会社を辞めた人は自己都合退社になるので、待機期間が終了してから最低1ヶ月は就職活動を行う必要があります。待機期間から1ヶ月は、開業しても再就職手当が受け取れないので、就職活動していることを証明するためにハローワークに出向きましょう。また、並行して開業準備も進めてください。

開業届を提出する

1ヶ月間の就活期間が終了したら、フリーランスになるタイミングで税務署に開業届を提出します。開業届は税務署で受け取ることもできますし、国税庁のサイトからダウンロードすることもできます。開業届に必要事項を記載したら、こちらも税務署に直接出向いて提出することもできますし、郵送で提出することもできます。いずれにせよ、ハローワークには開業届の控えの提出が求められますので、必ず開業届の控えをもらい保管しておきましょう。

ハローワークで再就職手当を申請する

無事に開業届の提出が完了したら、ハローワークに開業届の控えと雇用保険受給資格者証、再就職手当支給申告書を提出し、再就職手当を受給する申請を行います。場合によっては1年以上事業を継続できることを証明するために、業務委託契約書や事業内容を説明する資料の提出を求められるケースもあります。

提出書類の不備には要注意

再就職手当を受給する際、証明書類の内容が誤っていたりすると、不正受給処分の対象になる恐れがあります。たとえ「うっかり」だったとしても、責任を問われる可能性がありますので注意しましょう。もし不正受給が発覚した場合、以下のような厳しい処分が科されますので必ず提出書類には正確な情報を記載してください。

1. 雇用継続給付や基本手当等の支給を受ける権利が失われます。2. 不正に受給した金額を全額返還しなければなりません。3. 悪質な場合は、不正受給額の最高2倍の金額の納付が命じられます。4. 詐欺罪として刑事罰の対象となる可能性もあります。

申請の際は書類に記載されている内容を見直すことはもちろんですが、少しでも不明な点がある場合は、必ずハローワークに確認を取りましょう。

※参考:第15章 その他 | 厚生労働省

悩んだら、ハローワークや専門家に相談しよう

再就職手当は、会社員からフリーランスへの転身を支援する有効な制度の一つです。ただし、受給にはさまざまな条件があり、慎重な準備と手続きが必要です。独立を考えている方はこの制度を有効に活用するためにも早めに情報収集を行い、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。

なお、雇用保険制度は定期的に改正されることがあります。本記事の内容は執筆時点のものですので、実際の申請時には必ず最新の情報をハローワークで確認してください。また、個別の状況によって判断が異なる場合もありますので、具体的な相談はハローワークの窓口で行うことをおすすめします。フリーランスとして独立することは、キャリアの大きな転換点となります。再就職手当という制度を理解し、適切に活用することで、より安定した独立を実現することができるでしょう。

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