KotlinはJavaとの高い互換性を保ちつつ、より簡潔で安全なコードを書くことができるモダンなプログラミング言語です。Androidアプリ開発でも広く採用されていて、サーバーサイド開発でも人気が高まっています。Kotlinでサーバーサイドアプリケーションを開発する際には、フレームワークを活用することで開発効率を大幅に向上させることができます。
本記事ではKotlinのおすすめフレームワーク5選を紹介するとともに、その特徴や選び方のポイントを解説します。これからKotlinでのバックエンド開発を始める方や、プロジェクトに適したフレームワークをお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。
Kotlinとは
KotlinはJetBrainsによって開発されたオブジェクト指向のプログラミング言語です。JavaとのシームレスなJVMとの相互運用性を持ち、Javaの冗長性を排除しつつモダンな言語機能を取り入れています。null安全性、データクラス、拡張関数、コルーチンなどの機能により、安全で簡潔かつ効率的なコード記述が可能です。
主にサーバーサイド開発やAndroidアプリ開発で採用されていて、2019年にはAndroidの公式言語としても認定されました。KotlinはJavaやScalaの良い部分を取り入れつつ、独自の改善を加えた実用的な言語であり、開発者の生産性向上に寄与しています。
フレームワークとは
フレームワークとは、ソフトウェア開発を効率化するための再利用可能な設計や実装のことを指します。特定の領域に特化したライブラリ、ツール、規約などをまとめたものであり、開発者はフレームワークが提供する機能を利用することで、低レベルな実装に時間を割くことなく、ビジネスロジックに集中できます。
例えば、Webアプリケーション開発におけるフレームワークは、HTTP通信、データベースアクセス、セッション管理などの基本的な機能を提供し、開発者はそれらを組み合わせてアプリケーションを構築します。フレームワークを使用することで、開発の生産性や品質の向上、コードの一貫性の確保などのメリットがあります。
ただし、学習コストがかかることや、フレームワークの制約に縛られることもあるため、プロジェクトの要件に合わせて適切なフレームワークを選ぶ必要があります。
フレームワーク選びのポイント
Kotlinのフレームワークを選ぶ際は、以下の3つのポイントを考慮することが重要です。
- 1. 用途や目的に合っているか
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フレームワークによって得意とする領域や機能が異なります。自分のプロジェクトの要件に合ったフレームワークを選びましょう。
- 2. コミュニティの活発さとドキュメントの充実度
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コミュニティが活発で、質問やトラブルシューティングがしやすい環境かどうかを確認しましょう。また、ドキュメントが充実していると学習コストを大幅に削減できます。
- 3. 学習コストと開発効率
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フレームワークの学習に必要な時間と、それによって得られる開発効率の向上をよく考えましょう。シンプルで導入しやすいフレームワークもあれば、高機能だが習得に時間を要するフレームワークもあります。
Kotlinのおすすめフレームワーク5選

紹介したポイントを念頭に置きつつ、以下でおすすめのKotlinフレームワークを見ていきましょう。
Spring Bootは、Javaエコシステムで最も人気のあるフレームワークの1つです。Kotlinとの親和性が高く、Kotlinで開発する際にも利用しやすいフレームワークとして知られています。
特徴
– オートコンフィギュレーション機能により、設定の手間を大幅に削減できる
– 豊富なエコシステムを持ち、多くのライブラリやツールが利用可能
– Spring Frameworkの機能を継承しているため、高い拡張性と柔軟性を持つ
– Web開発だけでなく、バッチ処理やメッセージング等、幅広いユースケースで活用できる
メリット
– Javaエコシステムの豊富なリソースを活用できる
– 大規模なプロジェクトにも対応可能な拡張性と柔軟性
– 習得に時間を要するが、高い生産性を発揮できる
デメリット
– 学習コストが高く、習得に時間がかかる
– 比較的重量感のあるフレームワークで、小規模なプロジェクトには過剰な場合がある
向いているケース
– 大規模または長期的なプロジェクト
– 複雑なドメインロジックを持つアプリケーション
– Javaエコシステムとの統合が必要なプロジェクト
KtorはJetBrainsが開発したKotlinネイティブのWebフレームワークです。軽量でシンプルな設計が特徴で、Kotlinの言語機能を最大限に活用できます。
特徴
– 非同期処理を前提とした設計で、高いパフォーマンスを発揮する
– Kotlinのコルーチンを活用し、シンプルで読みやすいコードを書ける
– 柔軟なプラグイン機構を持ち、必要な機能を選択して導入できる
– HTTPのみでなく、WebSocketやRaw Socketにも対応している
メリット
– Kotlinの言語機能を最大限に活用でき、簡潔で安全なコードを書ける
– 軽量でシンプルな設計のため、学習コストが比較的低い
– 非同期処理に強みを持ち、高いパフォーマンスを発揮できる
デメリット
– Spring Bootと比べるとエコシステムが小さく、利用可能なライブラリが限られている
– 大規模なプロジェクトになると、設計や構造化に工夫が必要になる
向いているケース
– Kotlinの言語機能を最大限に活用したい場合
– 非同期処理を多用する高負荷なアプリケーション
– マイクロサービスアーキテクチャを採用するプロジェクト
Javalinは、シンプルさと軽量性を重視したKotlinのWebフレームワークです。最小限の設定で素早く開発を始められ、小さなアプリケーションに適しています。
特徴
– シンプルで直感的なルーティング定義
– 軽量でありながら、必要十分な機能を提供している
– WebSocketをサポートしており、リアルタイム通信が可能
– 拡張性が高く、プラグインによって機能を追加できる
メリット
– 非常にシンプルで学習コストが低い
– 小さなアプリケーションを素早く開発できる
– 柔軟にカスタマイズでき、必要な機能だけを導入できる
デメリット
– 大規模なプロジェクトには向いていない
– Spring Bootと比べると、利用可能なライブラリや機能に制限がある
向いているケース
– 小規模なWeb APIの開発
– プロトタイプ開発やPOC(概念実証)
– シンプルさと開発速度を重視するプロジェクト
Joobyは、軽量でモジュール化されたKotlinのWebフレームワークです。シンプルな設計ながらも、多くの機能を備えており、幅広いユースケースに対応できます。
特徴
– モジュール化された設計で、必要な機能を柔軟に組み合わせられる
– Netty、Undertow、Jettyなど、複数のサーバーエンジンに対応
– Kotlinのコルーチンを活用し、非同期処理をシンプルに記述できる
– JSONシリアライゼーション、DIコンテナ、テンプレートエンジン等の機能を標準でサポート
メリット
– モジュール設計により、柔軟にカスタマイズや拡張ができる
– 複数のサーバーエンジンから選択でき、プロジェクトの要件に合わせて最適化できる
– 必要な機能が標準でそろっており、導入のハードルが低い
デメリット
– Spring Bootほどの大規模なエコシステムは持っていない
– 他のフレームワークと比べると、情報やリソースが少ない
向いているケース
– モジュール化設計によるカスタマイズ性が求められるプロジェクト
– 複数のサーバーエンジンを使い分けたいケース
– 中規模のWeb APIやバックエンドシステムの開発
Wasabiは、ExpressJSから着想を得たシンプルで軽量なKotlinのWebフレームワークです。最小限のコードで直感的にWebアプリケーションを開発できます。
特徴
– シンプルで簡潔な構文とルーティング定義
– コントローラ、ミドルウェア、フィルタ等の基本的な機能を提供
– Kotlinのラムダ式を活用し、リクエストハンドリングを簡潔に記述できる
– 小さな実行ファイルサイズと高いパフォーマンス
メリット
– 非常にシンプルで学習コストが低い
– 最小限のコードで素早くアプリケーション開発ができる
– パフォーマンスが高く、リソース消費が少ない
デメリット
– 機能やエコシステムが他のフレームワークと比べて限定的
– 大規模または複雑なプロジェクトには向いていない
向いているケース
– シンプルなWeb APIやマイクロサービスの開発
– リソースに制約のある環境でのアプリケーション開発
– 学習目的やプロトタイプ開発
目的にあったフレームワークで、開発を円滑に
本記事ではKotlinのおすすめフレームワーク5選として、Spring Boot、Ktor、Javalin、Jooby、Wasabiを紹介しました。それぞれのフレームワークには特徴やメリット・デメリットがあるため、プロジェクトの要件や規模に合わせて選ぶことが重要です。
フレームワークを選ぶ際は、用途や目的との適合性、コミュニティの活発さとドキュメントの充実度、学習コストと開発効率のバランスを考慮しましょう。自分のプロジェクトに最適なフレームワークを選ぶことで、Kotlinでの開発をより効率的かつ効果的に進めることができるでしょう。
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