GCPエンジニアとは？仕事内容、必要スキル、キャリアパスを解説

2025年4月28日2025年6月18日

近年、クラウドコンピューティングの急速な普及に伴い、Google Cloud Platform (GCP) を活用する企業が増加傾向に。それに伴い、GCPの導入、設計、運用を担うGCPエンジニアの需要も高まっています。本記事では、GCPエンジニアの仕事内容、必要なスキル、キャリアパスについて詳しく解説します。

GCPエンジニアとは？

GCPとはGoogle Cloud Platformの略で、Googleが提供するクラウドサービスのこと。多くの企業がクラウドへの移行を進めているため、GCPを活用する企業も増加傾向にあります。また、クラウドネイティブな開発手法の普及に伴い、GCPエンジニアの役割はますます重要になっていくでしょう。具体的には以下のような場面で、GCPエンジニアの専門性が発揮されます。

– オンプレミスからクラウドへの移行
– レガシーシステムのクラウドネイティブな再構築
– ビッグデータ、機械学習、IoTなどの先進的な技術の導入
– クラウドインフラのコスト最適化とパフォーマンス向上
– クラウドインフラのセキュリティ強化と法規制への対応

また、GCPエンジニアは、デジタルトランスフォーメーション（DX）の推進においても重要な役割を果たします。クラウドを活用することで、企業はビジネスの俊敏性や拡張性を高め、イノベーションを加速することができます。GCPエンジニアは、こうしたDXの取り組みを技術面から支えています。

実際に、多くの企業がGCPを活用してDXを推進しています。例えば、GCPを活用してATMのモニタリングシステムを刷新し、運用コストの削減と障害対応の迅速化を実現した大手銀行も。また、GCPにより予約システムを構築し、顧客満足度の向上とオペレーションコストの削減を実現した音楽教室などもあり、多くの企業が活用を進めています。

GCPとAWSやAzureとの違い

GCPは、Amazon Web Services（AWS）やMicrosoft Azureと並ぶ、大手クラウドプロバイダーの一つです。GCPには以下のような特徴があります。

– ビッグデータ、機械学習、IoTなどの分野に強み
– Googleの技術力を活かした高度な機能とサービス
– シンプルで使いやすいユーザーインターフェース
– きめ細かなセキュリティ設定と高度な暗号化技術
– Googleの膨大なグローバルネットワークを活用した高速なデータ転送

一方、AWSは先行者としての豊富な実績とサービスの幅広さが特徴です。Azureは、MicrosoftのOSやミドルウェアとの親和性の高さが特徴です。

クラウドプラットフォームの選択は、企業のニーズや既存システムとの相性などを考慮して行う必要があります。GCPは先進的な技術を活用したいケースや、Googleのエコシステムとの連携を重視するケースなどで選ばれることが多いです。

GCPエンジニアの仕事内容

GCPエンジニアは、企業のクラウド活用における中核的な役割を担うポジション。クラウドインフラの設計・構築だけでなく、運用・管理も含めて幅広い業務を行います。具体的にどのような業務を担うのか、見ていきましょう。

クラウドインフラを設計・構築

GCPの各種サービス（Compute Engine、Cloud Storage、BigQueryなど）を活用し、企業のニーズに合ったクラウドインフラを設計・構築します。

クラウドインフラの運用・保守

構築したクラウドインフラの運用・保守を行い、安定的なサービス提供を実現します。

クラウドネイティブアプリの開発

クラウドネイティブアプリケーションの開発、デプロイ、運用を行います。

クラウドインフラの改善

コストの最適化、パフォーマンスの向上、セキュリティの強化など、クラウドインフラの継続的な改善を行います。

GCPエンジニアに求められるスキル

では、GCPエンジニアには、どのようなスキルが求められるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

– GCPの各種サービスに関する深い知識と実践的な活用能力
– クラウドアーキテクチャの設計と構築の経験
– Infrastructure as Code (Terraform、Ansibleなど) の活用スキル
– コンテナ技術 (Docker、Kubernetesなど) の理解と活用スキル
– プログラミング言語 (Python、Java、Goなど) のスキル

GCPエンジニアにはGCPの各種サービスを深く理解し、それらを効果的に組み合わせてクラウドインフラを設計・構築する能力が求められます。インフラのコード化やコンテナ技術の活用など、クラウドネイティブな開発・運用のための技術スキルも重要です。さらに、問題解決能力、コミュニケーション能力、自己学習能力なども求められます。クラウド技術は常に進化しているため、新しい技術を学び続ける姿勢が不可欠です。

GCPエンジニアになる方法

GCPエンジニアを目指す方法はいくつかありますが、以下のようなステップが一般的です。

STEP

GCPの基礎知識を習得する

Googleが提供するオンラインコースや公式ドキュメントを活用して、GCPの基本的な概念や各種サービスについて学習します。その際、「Google Cloud Fundamentals: Core Infrastructur（初級）」や「Architecting with Google Compute Engine（中級）」などのコースがおすすめです。

STEP

実践的なスキルを身につける

オンラインラボやハンズオンワークショップに参加し、実際にGCPを使った演習を行います。個人プロジェクトを通じて、GCPの各種サービスを活用したクラウドインフラの構築や、アプリケーションの開発・デプロイなど、実践的なスキルを身につけていきましょう。

STEP

GCP認定資格を取得する

GCPエンジニアとしてのスキルを証明するために、GCP認定資格の取得も有効です。初心者におすすめの資格は「Associate Cloud Engineer」です。ちなみに経験を積んでより上級者向けの資格を目指したい方は、「Professional Cloud Architect」などに挑戦すると良いでしょう。

STEP

実務経験を積む

知識やスキルを習得したら、GCPを活用しているIT企業や、クラウドインテグレーターでの就業経験を通じて、実務レベルのスキルを身につけます。正社員で入社できなくても、インターンシップやアルバイト、契約社員などで実務経験を積み、自信がついてから改めて正社員に挑戦することもできます。また、未経験でも年齢や意欲次第で正社員として雇用して育成してくれる会社もあるので、ぜひ自分の理想にキャリアパスにマッチした会社を探してみてください。

GCPエンジニアのキャリアパス

最後にGCPエンジニアのキャリアパスについても紹介します。

– クラウドインフラの設計・構築・運用を担当するインフラエンジニア
– クラウドネイティブアプリケーションの開発・デプロイを担当するアプリケーションエンジニア
– クラウドインフラとアプリケーションの保守・運用を担当するオペレーションエンジニア
– クラウドインフラの全体最適化を担当するクラウドアーキテクト
– クラウドインフラのセキュリティ対策を担当するセキュリティエンジニア

経験を積むことで、シニアエンジニアやクラウドアーキテクトなどの上位ポジションを目指すことができます。また、マネジメント志向の方は、プロジェクトマネージャーやチームリーダーといった役割を担うこともできるでしょう。