AI技術の一部であり、アルゴリズムを利用してデータのパターンを発見する手法である機械学習。機械学習を有効活用するためには、目的に合った方法を選択することが重要です。
しかし、
どの機械学習を選べば良いのかわからない
と感じている方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、機械学習の3つの種類や、それぞれの適用例、機械学習の手法の選び方について紹介していきます。これから機械学習の知識をつけたい方は、ぜひ参考にしてください。
機械学習とは?
コンピュータがデータから自動的に学習し、パターンや規則性を見つけ出す手法です。大量のデータを分析することで、明示的にプログラムされていない新しい知識や洞察を得ることができます。機械学習は、画像認識、自然言語処理、予測モデリングなど、幅広い分野で応用されています。アルゴリズムの選択やデータの前処理など、人間の関与は必要ですが、機械学習によって従来のプログラミングでは困難だった複雑な問題に取り組むことが可能になります。
機械学習の3つの種類について
機械学習は大きく分けて3つに分類されます。では、それぞれの手法にはどんな特徴があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
機械学習の一種で、人間が「答え」を示して学習させる方法です。具体的には、入力データとそれに対応する出力データを用意し、関係性を学習させます。例えば、犬や猫の写真を識別するAIを作成する場合、教師あり学習では犬の写真には「犬」のラベル、猫の写真には「猫」のラベルをつけて学習させるなど、教師あり学習は「何が何であるか」を教えて学習させる方法です。
一方、教師なし学習は「答え」を示さずに学習させる方法です。入力データだけをAIに与え、パターンや規則性を自動的に見つけ出させます。教師あり学習が「何が何であるか」を教えるのに対し、教師なし学習は「どのようなグループに分けられるか」を学習させます。例えば、お客様の購入データから、購入傾向に基づいたクラスタリングを行うようなケースがあります。
AIが自己評価を通じて「行動」を学習する手法です。具体的には、AIは与えられた環境の中で行動を選択し、結果に応じて報酬が与えられます。その報酬を最大化するように、AIは自己評価を行いながら行動を学習します。AIが一手一手を選択し、その結果により得られる報酬を最大化するように学習するのが、強化学習の例となります。
それぞれの適用例について
機械学習の3つの手法は、それぞれ異なる問題に対して適用されます。では、具体的に各手法の適用例にはどんなものがあるのでしょうか。
画像認識、自然言語処理、音声認識など、幅広い分野で利用されています。例えば、手書き文字認識では、大量の手書き文字画像とラベルを用いてモデルを学習させることで、高精度な認識が可能になります。また、スパムメールの分類や、顧客の購買行動予測なども教師あり学習の適用例です。
データの構造や特徴を発見するために用いられます。例えば、顧客データのクラスタリングでは、購買履歴や属性情報をもとに、似たような特徴をもつ顧客グループを自動的に見つけ出すことができます。また、異常検知では正常なデータの分布を学習することで、外れ値を検出することが可能です。
ロボット制御、ゲームAI、自動運転など、エージェントが環境と相互作用しながら最適な行動を学習する場面で活用されます。例えば、囲碁や将棋のAIでは、強化学習を用いることで、人間を上回る性能を達成しています。また、倉庫内の商品配置の最適化や、電力システムの制御などにも応用されています。
機械学習の手法を選択する際のポイント
どの機械学習の手法を採用するか、選択するのはなかなか難しいため、機械学習の手法を選択する際のポイントについて見ていきましょう。
たとえば、現象の背後にある原因を調査する必要がある場合、手法は教師あり学習の回帰問題になることがほとんどです。一方、大量のデータからパターンを見つけ出す必要がある場合は、教師なし学習のクラスタリングが適しています。
データの量、種類、品質なども選択の重要なポイントです。大量のデータであれば深層学習が有効ですが、データが少ない場合は汎化性能の高いモデルを使用すると良いでしょう。また、データに欠損値が多かったり、ノイズが多い場合はロバストなモデルを選ぶことをおすすめします。
開発環境の制約も重要な要素の一つです。使用できるハードウェアの性能、導入可能なライブラリなども考慮に入れた上で手法の選択を行います。時間とリソースに余裕がある場合には、複数の手法を試してみることをおすすめします。
ビジネス上の課題や期限によっては、シンプルな手法を使い単純に予測精度を上げるよりも、解釈性の高いモデルを選び、何が結果に影響を与えているのか理解することを優先することがあります。
機械学習について勉強する方法
機械学習を効果的に学ぶにはどんな方法があげられるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
Coursera、Udacity、Khanアカデミーなどのオンラインコースを受講し、機械学習の基礎理論や主要なアルゴリズムを体系的に学びましょう。講義だけでなく、クイズや課題に取り組むことで、知識の定着を図ります。
『図解即戦力 機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(出典:Amazon)などを読み、数学的な背景や理論的な詳細を深く理解しましょう。数式の導出を追いかけ、アルゴリズムの仕組みを理解することができます。
Kaggleなどのデータ分析コンペに参加したり、GitHubで公開されているプロジェクトに取り組むことで、実践力を養いましょう。scikit-learnやTensorFlowなどのライブラリを使いこなし、前処理からモデル構築、評価までの一連の流れを体験することがおすすめです。
ArXivやNeurIPSなどで公開されている最新の論文を読み、研究動向を追いかけましょう。まずはサーベイ論文から始め、徐々に個別の手法に関する論文を読み進めてください。理解が難しい部分は、他の解説記事などを参考にしながら、粘り強く取り組みましょう。
Kaggleのフォーラムや、機械学習関連のMeetupに参加し、他の学習者や実務家と交流しましょう。わからないことを質問したり、お互いのコードをレビューし合うことで、知識を深め、モチベーションを維持することができます。
専門知識を身につけ、実践で活かそう
ビジネスの世界でも広く知られるようになった機械学習ですが、効果的に活用するには専門的な知識が欠かせません。機械学習の技術を現実のビジネス問題解決に応用し、実際に成果を上げるためには、深い理解と継続的な学習が求められます。本記事を参考に機械学習に関する理解を深め、実践で活用できるよう研鑽してください。
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