汎用機エンジニアとは?今後の需要や主な仕事内容、必要なスキルとキャリアパスを解説

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多くの企業がデジタル化を進め、クラウドサービスへの移行を積極的に行っている昨今。従来の汎用機が次第に使われなくなるにつれて、汎用機の設定や保守、改修を支える汎用機エンジニアの需要は減少傾向にあると言われています。しかし依然として汎用機エンジニアのニーズが高いのも事実です。なぜいまだに汎用機エンジニアの需要はなくならないのでしょうか。本記事では、汎用機エンジニアの今後の需要や主な仕事内容、必要なスキルやキャリアパスについて紹介します。ぜひ、参考にしてください。

目次

汎用機エンジニアとは

主に大企業や銀行、公共施設などで使用されている汎用機の設定、保守、チューニングや改修を行うエンジニアのことを指します。具体的には、オペレーティングシステム(OS)の設定や、企業が必要とする独自のシステムを開発・設計、システムが稼働し続けるためのインフラ整備、組織内で一元的に情報を管理する役割などを担っています。

汎用機エンジニアの需要がいまだなくならない理由

冒頭で述べたように、デジタル化に伴うクラウドサービスへの移行により、レガシーシステムと呼ばれている汎用機。ですが、そんな状況下でも汎用機エンジニアの需要が未だに衰えない理由にはなにがあるのでしょうか。

理由1:現在も老舗企業で広く使用されている

汎用機は高い安定性、セキュリティ、大量のデータを扱える処理能力が高く評価され、数十年前からインフラを円滑に運用するために中心的な役割を果たしてきました。そのため、現在でも銀行や公共機関など、多くの老舗企業で使い続けられています。

理由2:データ移行には専門スキルが必要

老舗企業の汎用機には、既存の業務プロセスやデータ管理システムが汎用機に深く組み込まれており、長年蓄積したデータを現代の技術に移行させるには膨大な時間とコストがかかります。また、移行に伴うリスクを避けるためにも、既存の汎用機システムを維持しながら新しいシステムに統合するなど、安定運用に必要な汎用機エンジニアが求められるのです。

理由3:次世代の担い手が不足している

高度な専門知識と経験を必要とすることや、若い世代の間での知名度の低さなどから、汎用機エンジニアを目指す若手は減少しています。一部では延命策として機械学習やAIを活用した自動化が進められていますが、それでもまだ人手が必要な作業が多いことも、汎用機エンジニアの需要が減らない理由の一つです。

汎用機エンジニアとしての仕事内容

では、汎用機エンジニアには具体的にどんな仕事を任せられるのでしょうか。

システム構築

汎用機エンジニアの仕事として最も基本的なのが システム構築です。クライアントの求めるシステムをパソコンやサーバ、ネットワークなどを組み合わせて形にします。ハードウェアの選定だけではなく、適切なソフトウェアの選定や設定なども求められます。

システム維持・管理

汎用機を使用したシステムの維持・管理も汎用機エンジニアの重要な業務です。システムが常に安定して動作するように、監視や対策を行いながら運用します。また、稼働中のシステムに問題が発生することがあるため、その際の対応や問題が発生しないよう予防的なメンテナンスも行います。

クライアント対応

日々の運用・管理業務はもちろん、新たな要望や問題などを受けて解決に導くために、クライアントと直接コミュニケーションを行うことも求められます。そのため、クライアントのビジネスを理解し、現在のシステムがどのようにサポートしているか、また新たな要望はどのように実現可能なのかを考え、提案を行います。

トラブルシューティング

システム運用におけるトラブルへの対応も重要なタスクのひとつです。何か問題が発生したときには、その原因を特定し、最適な解決策を提供します。さらに、同様の問題が再発しないような対策の提案も手がけます。

ドキュメンテーション

設計や運用、障害の対応など、システムの運用や開発における詳細なドキュメント作成も欠かせない業務です。汎用機エンジニアが作成するドキュメントは、現在のシステムの状況を把握するための重要な情報源であり、また後に引き継ぐ人や他のエンジニアがシステムを理解するための重要な情報源となります。

必要なスキルと知識

専門的な知識や技術が求められる汎用機エンジニアですが、具体的にどんなスキルが必要なのでしょうか。

プログラミングスキル

汎用機エンジニアにとってプログラミングスキルは最も重要なスキルの一つです。JavaやC++、COBOLなどをはじめとする、さまざまなプログラミング言語に習熟することが大切です。プログラミングスキルについてよく理解し、正しく使用することにより、業務を効率的に進めることが可能になります。

データベーススキル

データベースに関するスキルも、さまざまな業務を遂行する上で必要不可欠なスキルといえます。SQLやデータベース設計、データベース管理システム(DBMS)の使い方など、データを効率良く管理するスキルが求められます。

システム知識

汎用機エンジニアとして活躍するには、OSやネットワーク、システムアーキテクチャなど、システム全体の動きを捉える視野も必要です。システム全体の動きを理解していることで、自分が開発したプログラムがシステム全体に与える影響を理解し、より良いコードを書くことが可能になります。

問題解決能力

汎用機エンジニアは日々さまざまな問題に直面します。そのため、論理的思考と問題解決能力を発揮し、根本的な原因を見つけ出し、効率的で長期的な解決策を実行することが求められます。また、テクノロジーの進歩は早いため、新しい技術を利用して問題解決を図ろうとする学習意欲や柔軟性も必要になります。

コミュニケーションスキル

汎用機エンジニアは常にチームと協力してプロジェクトを進めます。そのため、コミュニケーションスキルも必要です。良好なコミュニケーションをとることで、チーム内外の関係を円滑にし、問題解決を迅速に進められるようになるため、プロジェクトを効果的に推進するうえでの欠かせない要素です。

汎用機エンジニアの主なキャリアパス

汎用機エンジニアのキャリアパスは多岐にわたりますが、具体的にはどんなものがあるのでしょうか。

シニアシステムエンジニア

経験を積み重ね、システム開発全体の設計に関与するようになった場合、システムエンジニアを目指すことが一般的です。システム開発のコアとなる部分を理解し、エンジニアのチームをまとめ上げ、技術に関する議論の中心に立つことが期待されるポジションです。

プロジェクトマネージャー

人材、時間、コストなどのリソースを管理しシステム開発プロジェクトを適切に進行させる役割を果たすプロジェクトマネージャーも、汎用機エンジニアのキャリアパスとして良い選択肢のひとつ。プロジェクトマネージャーを目指す場合、社内外のコミュニケーション能力も問われるため、ビジネスマインドも求められます。

テクニカルコンサルタント

クライアントへの設計提案や技術選定などのコンサルティングを行い、クライアントのビジネス成功に貢献するテクニカルコンサルタントも、汎用機エンジニアのキャリアパスとしてあげられます。深い技術知識に加え、クライアントの課題を理解し解決策を提案するための論理的思考力やコミュニケーション能力が求められます。

トレーナー

長年の経験と高度な技術スキルを活かして、新人エンジニアや他者を育成する役割を担うトレーナーもキャリアパスの候補にあげられます。他者に教えることで自分の知識を深めたり、さらなる技術力向上にもつなげることができます。人材育成などに興味がある方にはおすすめのキャリアパスです。

レガシー言語を扱える若手は需要が高い

クラウド化やデジタル化が進む中で、一見すると汎用機エンジニアはもう需要のない古い存在だと思われがちです。しかし、広範囲のデータを短時間で処理できる汎用機の能力と汎用機を支えるエンジニアの存在はまだ多くの企業にとって欠かせないものです。いずれなくなると言われ続けた汎用機エンジニアですが、まだまだその需要はなくなってはいません。レガシースキルと次世代のスキルを兼ね備えたエンジニアは現場で必ず重宝されます。興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。

また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。

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