会社員から独立したい
会社員と並行して副業をしたい
と考える時、
主な方法として個人事業主になるか、業務委託契約を結んで働くことがあげられます。ですが、この2つの働き方について、どう違うのかよくわからないという方も多いことでしょう。そこで本記事では業務委託と個人事業主の定義や、それぞれのメリット・デメリット、契約時の注意点について解説します。これから独立や副業を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
業務委託と個人事業主の関係性
個人事業主にとって、業務委託は収入を得るための一つの方法です。さらに、個人事業主自身が他の専門家に業務を委託することもあります。これにより、自分の事業の運営をスムーズにし、サービスの質を向上させることが可能になるのです。このやり方は、事業の効率化や専門性の強化に役立ちます。
業務委託の定義
企業や個人が特定の業務を他の企業や個人に依頼し、業務の実施を頼むことです。具体的には、専門性やスキルをもつ企業や個人に業務を委託することで、業務効率の向上やコスト削減を狙う戦略的な行為を指します。また専門知識を必要とする業務以外にも、時間やリソースが足りない業務、企業の本業以外の業務などに対しても活用されています。そのため業務委託は、今や多くの企業にとって大きな助けとなり、ビジネス戦略の一部とされています。
業務委託で働く主なメリット
では、業務委託契約を結んで働くことで得られる主なメリットには何があげられるでしょうか。
業務委託はあらかじめ契約によって業務範囲と責任が明確化されます。そのため、自分の仕事と他の業務を混同したり、不明確な役割からくる揉め事を防ぐことができます。個人事業主であると一人で全てをこなさなければなりませんが、業務委託で働くとそうした心配はなくなります。
業務委託の最大のメリットは、業務に専念できることによるスキル強化です。個人事業主はしてはあらゆる業務に対応しなければなりませんが、業務委託では特定の業務だけに集中することが可能です。そのため専門性を磨くことができ、自身の価値を高め、信頼度を向上させることができます。
業務委託では、専門的なソフトウェアやハードウェア、研究材料、市場データ、さらには専門知識や業界のネットワークなど、契約先の企業や組織が提供するリソースや設備を利用することができます。そのため、特に専門分野での作業を行う場合や、新しい技術や方法論を学ぶ際に容易に進めることができます。
業務委託ならではのデメリット
一方で、業務委託にはリスクも存在します。どんなデメリットが発生するのか、見ていきましょう。
業務委託は一般的に、特定のクライアントからの仕事に依存する傾向があります。そのため、既存のクライアントがビジネスをやめたり、契約を切られたりしてしまうと、一気に収入源がなくなる危険があります。
業務委託におけるもう一つのデメリットは、仕事の自由度が制約されることです。クライアントによって仕事の内容や期限、働くスタイルなどがあらかじめ決められてしまうため、自分の理想とする働き方を追及するのが難しいケースがあります。
最後に、業務委託は特に長期的な契約がない場合、安定した職を持つことが難しいというデメリットがあります。クライアントとの契約が終了したとき、または一時的に仕事が途切れたとき、新たな仕事をすぐに見つける必要があるかもしれません。これはストレスの原因にもなり得ます。これに対し、個人事業主は、新規クライアントをつなぎ止め、事業を拡大することで、より長期的な安定性を持つ可能性があります。
個人事業主の定義
法人格を持たず自分自身の名義で事業を運営し、収益を得ている人のことを指します。全ての経営決定を自己責任で行い、利益の獲得やリスクの管理なども自身で行います。また、個人事業主になるためには手続きが必要で、市区町村の役場または税務署にて手続きを行います。事業の開始年度の翌年の2月16日までに開業届を提出し、その後は毎年確定申告を行和なければなりません。
個人事業主で働く主なメリット
では、業務委託では得られない、個人事業主として働くことで得られるメリットには何があげられるでしょうか。
個人事業主の最大のメリットは、自己決定権が全面的に保証されることです。業務委託の場合、委託先の意向やルールに従う必要がありますが、個人事業主であれば、ビジネスの方向性、業務の進め方、価格設定など、全てを自分で決めることが可能です。
所得税の計算方法や控除の適用、消費税の管理など、多くの税制面で有利に進められるという税務上のメリットもあります。業務委託では、収入の一部を税金や社会保険料として支払う必要がありますが、個人事業主の場合はこのような負担を抑えることが可能です。
個人事業主として働くことで、自由な働き方を選ぶことが可能です。業務委託の場合、依頼者の指示によって時間等が制約されることがありますが、個人事業主であればそのような制約はありません。自分のペースで仕事を進めることができます。
個人事業主で働くならではのデメリット
メリットがある一方で、個人事業主として働くことにもデメリットがあります。どんなデメリットがあるのか見ていきましょう。
個人事業主は全ての業務を自己管理しなければなりません。そのため、自己管理力がないと時間や資源の浪費、業績の低下につながりかねません。また自己管理力が低いと客先からの信頼も失う可能性もあります。
個人事業主として働く場合、一定の収入があるわけではなく、売り上げがそのまま自身の収入になります。そのため売り上げが安定しない場合や、自身が手がけるビジネスモデルがまだ未熟な場合に収入が大きく変動する可能性があり、精神的な面でも大きなストレスとなることがあります。
個人事業主はいくつかの法律手続きや納税の責任が生じます。特に青色申告を選択した場合、経理の知識が必要になるでしょう。また、消費税法の改正に伴い、年間売り上げが10万円を超える場合は消費税の納税も義務付けられています。これらの手間と負担も、個人事業主として働くデメリットになります。
業務委託における個人事業主の注意点
個人事業主が業務委託を行う際、5つの注意点について気を付ける必要があります。
業務委託を行う際にまず最初に確認すべきは、費用、期間、業務範囲、秘密保持、納品物の所有権など、仕事の範囲や条件を明示的に記した委託契約書の有無です。口頭での契約の場合後々問題が発生した際の証拠がほとんど残らないため、必ず書面にて契約を行いましょう。契約書があることで、万が一トラブルが生じた場合でも保証を得ることができます。
次に気をつけるべきなのが、所得税の申告と支払いです。個人事業主は所得税の申告と納税の義務があります。業務委託を行う場合、所得税が発生する可能性があるため、税金計算を考慮に入れることが重要です。
業務の進行管理も業務委託としての契約時に欠かせません。業務をアウトソースした場合でも、最終的な責任は依頼者である個人事業主にあります。定期的な進捗確認や、指示やフィードバックを行うことで品質を保つようにしましょう。
個人事業主が業務委託を行う際には、著作権の確認が必要です。文章作成、デザイン、プログラム作成などを依頼する場合、著作権は原則として作成者に帰属します。これを無視して使い続けると、著作権侵害となり、法的なトラブルに発展する可能性があります。
自分のスタイルに合わせた事業運営を選ぼう
業務委託と個人事業主、それぞれが持つ特徴と違いはさまざまです。自身のライフスタイルやビジネスモデルに最適な形を選ぶことで、より円滑な事業運営が可能となります。どちらの形態も自由度が高い一方で、それぞれにリスクも伴います。そのため、自身がどのようなビジネスを展開したいのか、目指すライフスタイルは何かを明確化し、それに基づいた選択をすることが大切です。
また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。
