フリーランスとして活動しているとクライアントからNDA（秘密保持契約）の締結を求められることがあります。
しかし、
NDAって何？
どうやって締結すればいいの？
と疑問に感じる方も多いことでしょう。そこで本記事では、NDAの基本概要からフリーランスがNDAを結ぶことで得られるメリット、締結が求められるケースや契約書作成の方法などを分かりやすく解説します。NDAの詳細について調べているフリーランスの方はぜひ参考にしてください。
NDA（秘密保持契約）とは
情報の秘密性を保つために使用される法的契約を指します。具体的には、ある当事者がもう一方の当事者に機密情報を開示する際に結ばれ、受領者がその情報を第三者に漏らさないように義務づける内容が含まれます。主にビジネス取引や新製品の開発、特許出願、雇用関係などさまざまな状況で使用され、契約書内には保護される情報の範囲、秘密保持の期間、違反した場合の罰則などが明記されています。
NDAを結ぶメリット
そもそもフリーランスがNDAを締結するとどんなメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
NDAを結ぶ最大のメリットは、情報漏洩を防止できることです。契約書を交わすことで、情報をどのように保管・管理すべきか、情報を第三者に開示する際のルールなど情報の取り扱いに注意を払う義務が双方に明文化されます。そのため、NDAは情報保護のための確固たるガイドラインとなるのです。例えば、新規事業のアイデアが漏洩した場合、漏洩した側にとって大きなビジネスチャンスを失うリスクがあります。しかし、NDAで情報を保護すれば、そのようなリスクを抑えることにつながります。
NDA内には情報が漏洩した場合の責任範囲や賠償内容が明記されているため、事前に何かが起こった場合に、どのように対処すべきかも明示されています。何が起きるか分からないビジネス環境で、これらのリスクを明確にして対策を講じることができるため、リーガルリスクを低減することができます
NDAを結ぶことで信頼関係の強化にもつながります。NDAには双方が重要な情報を安全に共有し、お互いにビジネス成功に向けて最善を尽くすことが明示されています。一方でNDAなしでビジネスを進めると、情報を開示する側は常に情報漏洩のリスクを感じるため、関係性の構築が難しくなる場合もあります。
NDAにより競争優位性を維持できることがあります。競合他社に企業の秘密が漏れてしまうと、その企業の競争優位性が失われる可能性がありますが、NDAを結ぶことで情報を適切に管理し、自社の独自性と競争優位を保つことが可能となります。
NDAの締結が必要なケース
では実際、どんなシーンでNDAの締結を求められるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
企業が新製品を開発する際、他社との協力が必要な場合が多々あります。その時に、開発情報の漏洩を防ぐために、NDAを結ぶことがあります。
企業の買収や合併、業務提携などの交渉時にも、重要な情報が公にならないように、NDAを結ぶことが一般的です。交渉が決裂した場合でも情報が漏れ出ることを防ぐことができます。
お客様の個人情報や顧客リストなど、他者に公開したくない情報を取り扱う時にも、NDAが必要となります。個人情報は漏洩すると大きなトラブルにつながるため、極めて慎重な取り扱いが求められます
企業が自身の持つ技術やノウハウを他者に教える時や、ビジネスパートナーとの間で知識を共有する際に、NDAを締結することがあります。これにより、特許権侵害などのリスクを防ぐことができます。
新たに従業員を採用する際に、企業秘密や業務内容を保護するため、NDAを結ぶ場合もあります。退職した従業員から企業秘密が漏洩するリスクを防げます。
NDA作成の実践的なステップ
上述したようなシーンを迎えた場合、以下のステップを踏んで契約書を作成しましょう。
NDAを作成する際、まず理解しなければならないのが、その「範囲」と「期間」です。範囲では、契約の対象となる情報が具体的に何かを明記することが求められます。そして期間では、情報の保護期間や契約の有効期間を設定します。これらを明確にすることでは、契約の強制力と裁判での争いを防ぐための大事な要素になります。
次に、秘密情報の取り扱いについて定めます。どのような状況で情報を開示できるのか、また開示した情報はどのように保管・管理するべきかなど、情報の取扱い全般について網羅するようにします。それぞれの職務や配信者、受信者の特性によって効果的な取扱い方針が変わるため、細心の注意を払います。
違反した際の処分についても明記しておくことが必要です。情報漏洩があった場合、どのような罰則が科されるのかをはっきりと示し、それが抑止力となり、情報の取扱いを慎重にすることを助長します。また、万一違反が発生したときに迅速かつ効果的に対応するためのルール作りにも役立ちます
最後に、作成したNDAを当事者全員で確認します。内容の確認はもちろん、誤解や疑問がないか、また全員が納得して契約できるかを確認するための重要なステップです。ミスや不明点があればその場で修正し、全員が納得のいく形で契約を結びましょう。
NDA締結に関するトラブル時の対応
いくら万全な準備をしていたとしても、トラブルはつきもの。では、NDA締結に関してトラブルが起きた場合、どのように対処するのが良いのでしょうか。
NDAに違反した疑いがある行為が確認されたとき、まずは混乱せずに自社と相手方の契約内容確認に着手しましょう。具体的に何が秘密情報とされ、それがどのように取り扱われるべきだったのかを詳細にチェックします。そして、法的な視点からのアドバイスも必要となるため、早めに法律家や専門家への相談も行いましょう。
NDA違反が確認された場合、次に取らなければならないステップは法的手続きを進めることです。法的措置はNDAの中に明記されている違反時の罰則や損害賠償請求等を適切に実行するために不可欠な手続きとなります。そのための具体的なアクションプランを温故知新し、必要なら法律家ほか専門家のアドバイスに基づき動いてください。
違法行為や法的手続きに入る前の段階で相手方との交渉を開始することも、有益な状況制御となります。ここでポイントとなるのは、あくまで尊重と理解をもって相手方と対話を行うということです。適切な対話を通じて、裁判をはじめとする法的紛争を回避し、非効率的な時間とリソースの消費を最小限に抑えられる可能性があります。
既に一度、NDA違反というトラブルが発生してしまった後では、再発防止が你々の最重要課題となります。違反の背景にある要因を分析し、NDAの内容を見直すことが求められます。また、社員への教育活動も重要であり、一部専門家による外部研修を活用するのも有力な選択肢となります。
NDAを活用し、情報漏洩のリスクから身を守ろう
NDAはビジネスの成功を守るために不可欠なツールです。弱い立場に立たされやすいフリーランスこそ、自己防衛のためにも、NDAについての理解を深めておくことが大切です。本記事を参考に、自身のビジネスが情報漏洩のリスクから守られるよう、NDAの運用に積極的に取り組んでみてください。
また、案件獲得にはフリーランスキャリアの利用をぜひ検討してみてください。これまでの経験やスキルに応じた案件を紹介させて頂きます。
